人気ブログランキング | 話題のタグを見る
execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir
 今回ICELANDiaの小倉は4月1日、つまりエイプリルフールからアイスランドに来ていまして、「残響のテロル」の音楽制作に関わらせていただく前後に、自分の興味も満たしています。
 そのひとつはアイスランドの新人発掘バンドコンテスト「Musiktilnauir (音楽実験)」を見ることで、ラッキーにも到着して翌日にセミ・ファイナル、数日後にファイナルがありました。なので、ファイナルをここにお届けしますね。

 会場はハルパのコンサートホール。オーロラ(ノルヅリョウス)と命名されたハルパ内のホールに椅子が置かれ、さすがファイナルだけあり、セミ・ファイナルよりもずっと多くの人が来ていました。

 開演は午後5時から。出演は10組で、持ち時間なのか曲数なのかわかりませんが、どうやら一組3曲のようでした。出場の権利は25歳までのアマチュアのミュージシャンです。このコンテスト出身のアーティストは少なくなく、一番有名なのはやはりオブ・モンスターズ・アンド・メンでしょうか。日本でもじわじわと人気がでているサマリスもそうですし、オーラヴル・アルナルズのヴォーカリストとして来日したアルノル・ダンも、このバンド・コンテストの優勝者であるエージェント・フレスコのメンバーです。優勝しなかったけれど、このコンテストをきっかけに頭角を現したバンドは数知れずで、例えばパスカル・ピノンやレトロ・ステフソンもこの仲間。
 シガーロスではありませんが、ヨンシーもこのバンドコンテストに出演したことがありました。
 アイスランド音楽シーンにとって非常に大切なコンテストであり、このコンテストを語らずに音楽シーンも語れないので、いつかはぜひと思っていたのです。

 まず最初に出てきたのは昨年の優勝者、VOKです。現在は3人組ですが、コンテスト出場時は2人組。去年11月に私のアイスランド・エアウエイブス・ツアーの打ち上げギグをやってもらったことは記憶に新しいところです。今回の演奏は新曲から始まりました。半年の間に、かなり経験を積み、それが身になってきたようで、堂に入ったパフォーマンスでした。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_931320.jpg

 そしてお待ちかねのコンテスト。以下、出場順にいきましょう。同じような写真ばかりで失礼。でも、一組写真を出して、他に出さないのも不公平ですものね。

 以下、現場でとっていたメモと、今でも覚えている印象で書きますが、出場バンド全部が、かなり練習を積み、いい演奏をしていたことは間違いありません。セミ・ファイナルは学芸会レベルもいましたが、それは全部ふるい落とされていました。

 トップバッターはKuraka(クーラカ)。セミ・ファイナルの時よりも大きな枝(角?)を頭につけてのギタリスト登場で、時々というか、案外よく出現する、奇妙な感じのバンドです。お遊びバンドなのかと思ったり・・・。レゲエ、スカ調のゆるめのリズムの曲をやったかと思うと、突然叫び初めて、その後はメタル。うーん、うーん、うーん。面白いと思えればいいのかも。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_933663.jpg

 Vio(ヴィオ)は3人組。たぶん歌っている子がソングライターのグループでしょう。演奏はシャープだし、曲の構成もしっかり。このシンガーソングライターの男子がどれだけ伸びるかが勝負。私は好きでしたし、セミ・ファイナルの時は一着で投票しました。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_934043.jpg

 Confliction(コンフリクション)はパワー全開。叫びまくり。曲もとにかく押しまくりのグループ。それだけといえばそれだけだけど、メロディは若干あったかな。どこまでが音楽性なのか良く分からないのですが、まぁそういうグループです。とりあえずパワーに関しては圧倒的なものはありました。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_934079.jpg

 Toneron(テネロン)はヴォーカルがサックスも演奏し、あとはドラムスという変則的な編成の二人組。バックトラックは電子楽器。ヴォーカルの音程が不安定なのと、なんかどこかちょっと物足りない風で、それで終わった感じです。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9103613.jpg

 Lucy in Blue(ルーシー・イン・ブルー)はちょっと出来すぎだったかな。一番普通にかっこよく聴けるグループでした。特筆すべき点がいくつかあり、まずはギター・ソロがかっけ〜。アイスランドでなかなか聴けるギターソロをやる人がいなくて、そこらへんがエポックのフィールドですが、そこにスンナリはまる逸材。その上、このギタリストがヴォーカル上手!それも低音がとても魅力的。うっひょ〜。次に特筆すべきはキーボード。ジャズ的な要素も取り入れた、これも結構かっこいいソロを聴かせてくれました。で、キーボードはギタリストほどではないものの、キチンと歌えたし、ギタリストとキーボード担当でハモれるのも魅力。この日初めてここでハーモニーを聴きました。
 ここまでキチンと聴けると逆に困るのは、ちょっと出来すぎかなということ。すごく長い曲をやっていて、ギターソロとキーボード・ソロ、そしてヴォーカルにハーモニーなんだけど、どうしてもクラプトン(デレクという突っ込み無しね)のレイラを思い出してしまって、あの路線を狙いすぎてる気配。でも、非常によかった。私としてはイチ押し。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_911560.jpg

 ここで休憩です。私の中では最後のルーシーが一着。揺るぎなく一着。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9114036.jpg

トイレに行く途中の景色。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_911399.jpg

 休憩後のトップバッターはTuttugu(トゥッツグ)。男女ヴォーカルとDJ。普通にいいし、ユニットとしても分かりやすい。発展性ということでは、さっきのグループにはかなわないけど。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9122746.jpg

 Milkhouse(ミルクハウス)という5人組は、どうやらヴォーカルをとっている女子が中心になっているようで、彼女はキーボードを演奏して歌ったり、最後はハンドマイクでヴォーカリストとしてステージを務めていました。自分のヴォーカル・スタイルを持とうとしている姿勢はとてもよかった。発展途上だけど、この女子がどこまでがんばれるかですね。
 個性、独自性ということでは、非常にいいと思いました。うまいとか、どこまで聞けるかってところまでは到達してないけど。私は好きだった。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9134716.jpg

 Ring of Gyges(リング・オブ・ギゲス)は、最初ごく普通のバンドで、演奏が普通過ぎてどーなのと思っていたら、突然豹変して、雄叫びをあげるメタルに変身!なにせヴァイキングの国なので、雄叫び系のパワーはすごいです。嫌いじゃないし、演奏のさわりの普通のロックポップみたいなのよりも、雄叫び系の方がいい。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9232030.jpg

 Bad news(バッド・ニュース) は平均年齢めちゃ低そう。かつてのパンク・ムーブメントの名残みたいな感じで、私は好きでした。ポップとオルタナの中間あたりの演奏が心地いいし、ヴォーカルが上手。ハモれるし聞きやすい。普通と言ってしまうと普通だけど、断然楽しく聞けて、このまま使えるバンドでした。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9143324.jpg

 Captain Syrup(キャプテン・シラップ) いろんな楽器ありで楽しいバンド。アイスランド的なお遊びバンドとも言えそう。ベースのチョップがなかなかいかしていて、がんばって練習すればもっとやれそうな気配。ポテンシャルとしては悪くないけれど、現時点ではこのベーシスト以外どうなんでしょうか・・・。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_915090.jpg

 これでファイナルの演奏は終わりです。審査員の意見と、一般投票も加味されるようで、セミ・ファイナルは紙に書くバロットがあったけど、今回は携帯でグループに割り振られた番号に電話して投票をする方式でした。私はルーシーに入れた!

 審査員の面々。知り合いわんさか。音楽業界関係者や、先輩バンドの面々ってところです。どうやら審査員はギャラではなく、スポンサーからのお食事券とか、そういういのがご褒美だった気配(当方アイスランド語わからないので、解釈が間違っている可能性大)。
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_9253446.jpg

 表彰はよくある音楽賞と同じで、各部門と優勝から第三位までがありました。で、どうやらヴォーカリスト賞なのかな(?)ヨンシーがプレゼンターとして現れました。びっくり!
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_925509.jpg

 バンド・コンテストの結果は、第三位がコンフリクション、第二位がルーシー・イン・ブルー、そして第一位がヴィオでした。過去のバンド・コンテストの優勝者を考えるとヴィオは異色。でも、異色だからこそ選ばれたのかもしれません。音楽的な発展性としては、たぶん誰が聞いてもルーシーだし、キーボードとギターとヴォーカルが揃って才能ありそうなので、グループとしての期待度は高いです。
 ヴィオは私もセミ・ファイナルの時に一着にしたくらいなので、意外だったけど、意義はないです。セミ・ファイナルではもうひとつ好きなバンドがあったけれど、あれは出来すぎていて、発展性と、このコンテストの趣旨である「実験性」に欠けるかなというのがありました。

 そんな訳で、やっとこのバンド・コンテストを見る事ができてとても満足。レベルの高い演奏と、自分達なりの音楽性、個性を出そうと試みている若者が多いことに感銘を受けました。
 セミ・ファイナルのことはブログにしませんが、そこでふるい落とされた中にも、私はとっても好きになったグループが数組いるので、今年のアイスランド・エアウエイブスで見つけたら、ぜひ聞きたいと思っています。

 レイキャヴィクでは小規模な音楽フェスのようなことを時々やっていますが(5月のMusic Messとか)、それよりも、たぶんこのバンド・コンテストの方が面白いです。セットチェンジも素早いし、ギュギュっと濃縮してあれこれ見聞きできるし、何よりも出演者が本当に一生懸命で、ものすごく見ていて気持ちが良く、全員を応援したくなっちゃいます。いえ、全員本当に応援していました。

 今回の出場者の中から、将来必ず話題になってくるアーティストが出現することでしょう。ホント、いい体験をさせてもらいました。出場者、そしてこのコンテストを運営している関係者に感謝です!Special thanks to Ólafur Páll Gunnarsson who let me see this wonderful contest.

***

大人気!アイス”ンド・エアウエイブス&オーロラツアー説明会
説明会日時:
 4月30日(水)19時半~20時半
 5月17日(土)16時~17時
 5月28日(水)19時半~20時半

ツアーチラシPDF (547k)
http://alljos.com/tours/IcelandAirwavesTour2014.pdf 

*場所 :(株)ツムラーレコーポレーション会議室
 〒105-0014  東京都港区芝1-7-17 住友不動産芝ビル3号館3階 地図
   最寄駅:「浜松町駅」金杉橋口 (JR、東京モノレール) 徒歩7分
      「大門駅」 A1出口 (都営大江戸線、浅草線) 徒歩7分
      「芝公園駅」 A1出口 (都営三田線) 徒歩10分

※お申込み方法(メール)
お名前とメールアドレス、参加希望日、参加人数、緊急連絡先電話番号を明記の上、iceland.airwaves.jpn(@)gmail.com までメールをお送りください。参加確認をご返信致します。ツアーの内容についての質問等もこのアドレスで受け付けています。(小倉悠加/ Yuka Ogura)層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_13213440.gif




次回のアイスランド・エアウエイブス・ツアー
説明会は4月30日(水)
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_23452794.jpg





 『いいね!』してね!ICELANDiaFacebookファンページ
層の厚さを見せつけるアイスランドの新人発掘コンテストMusiktilnauir_c0003620_2234473.jpg
by icelandia | 2014-04-17 07:30 | アイスランドってどんな国? | Trackback | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ICELANDiaの小倉がアイ... ノイタミナ『残響のテロル』の音... >>
ブログトップ
外部リンク
ICELANDiaからのお知らせ
ツイッターやインスタでアイスランドの日常もご覧いただけます。Twitter Instagram
最新の記事
以前の記事
記事ランキング
検索
カテゴリ
タグ
最新のコメント
丁寧にお返事ありがとうご..
by Ikue Ikeda at 12:06
> Ikue Ikeda..
by ICELANDia at 01:51
はじめまして、池田です。..
by Ikue Ikeda at 21:50
ブログジャンル







Copyright © 1997-2008 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - ヘルプ - エキサイトをスタートページに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム