音楽ファン必見!映画『Screaming Masterpiece』 |
ブログの更新が久々になってしまいました。本当は去る2006年3月18日(土)に盛大に行われた日本アイスランド協会懇親会のレポートをしなければと思っていましたが、この映画を見たからには書かずにいられない。 映画『Screaming Masterpiece』は音楽ファン必見です!!!! しかしこの映画、いったいいつ公開されるんだろう?だって、去年の秋には翻訳作業がされていて、アイスランド映画祭にこの映画が上映されなかったのも、日本での配給が既に決定しているから。なのに、何だかぜーんぜん音沙汰無し。アイスランド音楽業界の裏側がちょっぴり騒がしいので、もしかしたら何かイベントがらみでやる気なのか?という勘ぐりが出来ないでもないけど・・・。例えば、アパラット(&その他諸々)のライブとからめて上映とか、ね。 とにかく、不気味なほど何も聞こえてこないので、しびれを切らしてアイスランド国内のDVDを購入(英語字幕)。みなさん、この映画はぜひ予備知識を持った上でご覧ください。予備知識があるのと無いのでは、どこまで深く面白く見られるかというところで、雲泥の差が出ます。ま、本人が楽しく見ることができればそれでいいんだけど。 以下、かなり意味不明の独りよがりの感想だと思われますので、若干アイスランドの音楽についてを知っている方にお読みいただければ幸いです。それから、水色の字にはリンクが貼ってあり、ICELANDiaのショップで扱う該当アーティストのアルバムにつながっています。興味ある人は実際に彼らの音楽を聞いてみてはいかがでしょうか。 ******************** 正面から見れば、ホント、現在のアイスランドを代表するアーティストをキチンと揃えて、各アーティストの個性を色濃く描いたことにまず拍手。そしてそこに、『ロック・イン・レイキャヴィーク』も絡めて歴史的な背景を盛り込み、歴史的な詩歌に伝統的な語り部のリミュールを付けて奥行きを出したことも感心。その手法まで『ロック〜』に似せたのは、やはり『ロック〜』の続編と捕らえていいと思います。 裏から見れば、アイスランドの現代のポップ音楽史を作り上げたレーベルと、新興レーベルとの一騎打ちの感あり。確かに流行ってはいたし、賞も取ったけど、フェローのアーティストを入れる前に、収録すべきアイスランドのアーティストがいたはず。映画を撮影した頃であれば、KimonoとかSkeとか、またはGusGusやHjalmarとか。Skifanに所属していたEnsimiとかUlpaが全く無視されていたのも腑に落ちないけれど、アイスランド・アーティストのおいしいとこ取りで、ギュゥっと内容を濃くしたのは分かる。 『スクリーミング・マスターピース』は『ロック・イン・レイキャヴィーク』と同じく、リミュールで始まります。リミュールとはアイスランド音楽のルーツである語り部で、今回出てくるSteindor Andersenはシガーロスがリミュールを習った先生であり、全米ツアーにも同行しています。 そして登場するのが(順不同ですが)バングギャングのバルディ・ヨハンソン(Airwavesのライブ)、ムーム、ムギソン、ビョーク(ニューヨークのライブ)、シガーロス(ニューヨーク)、アパラット、ヨハン・ヨハンソン(ハトグリムス教会のライブ)、カラシ(東京のライブ、バックステージも)、ミナス(Airwaves)、シンガポール・スリング(Grand Rokk)、ヴァイナル、アミナ(スタジオ)、トラバント&トマス・エイナルソン(首相官邸ライブ)、エイナール・オウルン、ヒルマール・オゥルン・ヒルマルソン、スローブロー他、オールスターの盛りだくさん! インタビューよりもライブの方が多めかな。ところどころに効果的にプロモーション・クリップも使っています。で、真ん中のあたりに『ロック・イン〜』からの映像が入り、『ロック』を監督し、アイスランド映画祭でも来日したフリドリク・ソール・フリドリクソン監督の話も。 シガー・ロスはアミナのインタビューや演奏もあるので、かなり楽しめることでしょう。ボーナス・マテリアルには、本編で全く出てこなかったキャータンのインタビューも。 ボーナス・マテリアルは2時間以上あるので、まだ全部は見てませんが、バングギャングのバルディは15分近くたっぷりあるし、相変わらず歯に衣着せぬ物言いでストレートに物事を突いた発言をしていて面白い。かつてはビョークがバックヴォーカルを担当していたメガスについて、バルディも大ファンであるというのは私も知らなかった。ここでバルディはメガスとブッビという名前を出していて、ちなみにブッビは『ロック〜』の映像の中で、Egoのメンバーとしてメイン・ヴォーカルをとっている人です。エイナール・オウルン(Sugercubes, Kukl他)の話は、パンク時代からの歴史的なものがわかって、私にはなかなか勉強になる話でした。ビョークのインタビューをよく読んでいる人は、重なるところが多く、これまた興味深いことでしょう。ムームのインタビューも貴重ではないでしょうか。 ミュージシャンそれぞれに視点が違っていて、そのどれもがとても真実で、そのアーティストの個性そのものを語っているようで、やっぱり層が厚いなぁ、というか、なぜ人口30万人ポッキリの国から、これほど多くの才能と個性豊かな音楽が出てくるのか、改めて驚きを覚えます。そして私にとってのメインは、人口約250人の街から出てきたパンク・バンドの演奏と、チューレ・レーベルの親玉(だった、と過去形にすべき?)のソールの発言で、「アイスランドはデトロイトとかマンチェスターとか、そういった都市と同じで、特にエキサイティングなことが何もないから、人々はクリエイティブになるというような説があるそうだ」という発言。 それにしても、これほど知り合いばかりが出てくる映画は未だかつて無い。数年前に映像付きでGusGusが瞬間的にアルバムを出した際、その画像がSirkusで撮影されたもので、数えたらちょうど1ダースほど知り合いが映っていました。が、今回のはもっと多い。それだけで個人的にはひどく面白いし、ハトグリムス教会のヨハンのライブは映ってないけど私は現場にいたしで、あまりにも近いところにありすぎて、映画を見ている気分とは少し違った不思議な気分。 それから、なんと、エンドロールにAlljos(アリヨス)の名がクレジットされているではありませんか!! エンドロールを眺めていたら、バングギャングのクレジットにAlljosの名前が。確かに権利者だとはいえ、自分の会社の名前が映画のエンドロールに載るとは、すごく感激!!(小倉悠加) *品揃えもよくなってきました!ICELANDiaのショップにお立ち寄りください。 *ICELANDiaの母体、アリヨス・エンタテイメントのサイトはこちらです。 |
by icelandia
| 2006-03-28 04:31
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Comments(2)
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respectsqeeze
at 2006-03-29 20:19
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僕の名前も隣に載せてください(笑)
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icelandia at 2006-03-29 23:29
会社名じゃなくて、私も個人名がよかった(笑)