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execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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ロピセーターの本:104歳のアイスランド人おばあちゃんが編むほっこりニット裏話
 ICELANDiaの小倉は、アイスランド関係のいろいろな物事を請け負っています。

 全て表に出している訳ではありませんが、必ず年に何回かあるのは、あちこちの雑誌にちょこちょこと文章を提供することで、この一年で2度ほどアイスランドのセーターをご紹介する機会をいただきました。

 何がうれしいかと言えば、私は隠れ(?)手芸おたくで、刺繍、編み物等のハンドクラフトが大好き。母は編み物や洋裁が得意だったし、母方の実家が毛糸屋を営んでいたこともあり、私は幼い頃からいろいろな毛糸や手芸用品に親しんできました。
 
 なので、日本ヴォーグ社から「アイスランドのロピ・セーターに関して協力してくれないか?」というお話はすごく嬉しかった!

 まずやらせていただいたのが、季刊誌である『毛糸だま』でのアイスランドのロピ特集。これは去年の秋に発行されたものです。

毛糸だま No.155 2012年秋号
 巻頭特集「あたたかい国、アイスランド」
 販売サイト: 手作りタウン(日本ヴォーグ社) アマゾン

ロピセーターの本:104歳のアイスランド人おばあちゃんが編むほっこりニット裏話_c0003620_3462870.jpg 特集のアイスランドのロピやウールに関しての記事を書かせていただきました。お話をいただいたのが渡氷前だったので、2012年5月に行った時に毛糸工場の取材や関係者の取材をしてきました。

 手芸おたく(?)の私もさすがに毛糸工場を見たのは初めてで、毛糸ができるプロセスは「へ〜」ということが多く、とても楽しく見せていただきました。あと、色見本を作る機械があって、あれを操るのは職人芸で、それも目から鱗の作業でしたーーーっていうのを記事にはできなかったんだけど、ね。

ロピセーターの本:104歳のアイスランド人おばあちゃんが編むほっこりニット裏話_c0003620_354986.jpg


 そして一年後の2013年秋にアイスランドのロピセーターのデザイン・ブックを作るというので、再度ご依頼をいただきました。それも「世界の伝統ニット」という新しいシリーズの記念すべき第一弾です!

世界の伝統ニット1 アイスランドロピセーター
 販売サイト:  手作りタウン(日本ヴォーグ社) アマゾン

ロピセーターの本:104歳のアイスランド人おばあちゃんが編むほっこりニット裏話_c0003620_346574.jpg  私は手編み大好きな上にアイスランドのウールも大好きなので、掛け値なしに狂喜乱舞です。
 絶対に編む!アイスランドで毛糸買ってくる!と決めているデザインが2つもありますが、まだ編みかけのあれはどーすんの?と自問自答もせず、たぶん新しいのを編みます(笑)。

 これに関しては既に気合いが入っていて、日本から編み棒を持って行って、アイスランドにいる間に編み物が得意な友人に教えてもらえないかと狙っているのです。


 本の内容ですが、以下のリンクからチラっと立ち読みすることもできます。
http://www.tezukuritown.com/sample13/NV70202/flash/F_viewer_standard.htm

 編集部から許可をいただいたので、どのような誌面かというのを少し見ていただきますね。これが私が書いたロピセーターの記事。
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 色使いはアイスランド現地よりもすごくお洒落です。
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 編集部には読者からの感想が届き始めていて、全般にとても評判がよく、私が書いた記事のことも言及してくださっている方が多いそうでうれしいです。売れ行きも良いとのことなので、みなさまもぜひお手にとって見てくださいね!

 『毛糸だま』の時に必用な取材はしていたので、今回は特に取材の必用はありませんでしたが、ちょうどまた今年も5-6月にアイスランドへ行っていたので、何か興味深いネタはないかと現地を徘徊したので、その裏話をひとつお裾分けしますね。

 それについては少し前置きが長くなりますが・・・。
 
 アイスランドのニットは世界で珍重される高級品で、それはウールの繊維自体が特殊で、髄の中に気泡が入っているため、アイスランドのニット製品はとびきり軽くて暖かいのです。漁業以外に産業らしき産業がなかったアイスランドにおいて、ニットは唯一の国内産業だったアイスランドの伝統なのですね。

 なのでアイスランドでは小学校の授業に編み物が組み込まれているほどです。洋裁とか手芸じゃなくて、しっかりと「手編み」の時間があり、そのせいか男性でも結構編み物が好きな人がいるし、今でも空き時間にできて、ちょこっと小遣いが稼げるので人気があります。

 そこで、手編みの品物を手軽に売れるようにと作られたのがアイスランドの手編み協会で、街中にショップを構えるこの店には、登録している近隣在住のニッターから様々な製品が持ち込まれます。

 ここのシステムはかなり合理的で、登録したら希望するアイスランド国産の毛糸を持ち帰ることができます。それを使って編んだ製品を後日この店に持ってくると、使った材料の目方を量り、品物が売れた際に手数料とその毛糸代を差し引いた額が支払われるそうです。

 ということは、編み棒さえあれば、元手は自分の編み物の才能、時間と手間ということになりますね!

 そこに登録している最高年令の方を紹介してほしいと頼むと、2013年の今年で104歳のご婦人を紹介してくれました!

 アイスランド最年長のニッターはヒリフ・ボウズバルスドッティルさんで、1909年4月11日生まれ。現在は老人ホーム住まいです。

 で、その老人ホームに取材に出向いたのですが、私が抱く日本の老人ホームの印象とは異なり、とても明るく楽しそうな雰囲気でびっくり。みなさん個室住まいで、そこにはベッドルームと簡易キッチン、居心地のいいリビングがあり、私物に囲まれているので、普通のワンルームマンションと同じ感覚です。

 アイスランドも財政困難でこういう老人ホームの部屋を狭くするとか、まぁいろいろな問題含みではあるそうですが、味気ない印象の日本のホームとは全然違いました。私も老後はここがいい!

 そんな素敵なホームの玄関でまず私をお迎えいただいたのは、ヒリフさんの娘さんのインガさん。そして窓際に置かれた椅子に、104歳のヒリフさんがいらっしゃいました。現役で編み物をしているだけあり、杖はついていますが、しっかり自分で歩けるし、頭もシャッキリです!銀髪が魅力的で若々しい!顔の色艶もよく、私の方が血色が悪いじゃん・・・。
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 74歳の娘さんに至っては、70代なんてご冗談でしょうというほどお肌がきれいで動きもきびきび。年令を聞くまでてっきり60代半ばくらいだと思っていました。娘さんには英語が話せないお母さまの通訳をしていただきました。

 ヒリフさんは小さい頃から編み物が好きで、隠居生活になってからは毎年クリスマスに必ず子供達や孫にセーターを編んでいたそうです。一日平均2時間、気が向くと3-4時間編むこともあるとか。なので、こんなにいろいろな編み物ストックを出して見せてくれました。
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 ただ残念なことに、半年くらい前まではセーターを編んでいたけれど、編み目を間違ったり、忘れてしまうことが多くなったため、最近は帽子などの小物を編むことがほとんどだそう。これがもうすぐ手編み協会へ出す予定の品物。暖かそうで、そうでかわいい!
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 手編み協会に登録しているのは、好きなことをして働いてお金になるのがとてもうれしいし、励みになるのだそうです。なるほど。これは伝統を守ることでもあり、経済的な社会貢献にもなりますものね。

 こちらは若かりし頃のヒリフさんとご主人のグヅムンドゥルさん。大統領も輩出している名門の家系だそうです。
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 あれこれの話をひとしきりして、長居するのもお疲れになるだろうとお暇しようとすると、「これからどうするの?何か飲んでいかない?」というお誘い。 
 え〜、それは嬉しすぎる!お断りするのは忍びないので、ご相伴にあずかりました。てっきりコーヒーか紅茶でもということなのかと思ったら、出てきたのがショットグラス!
 マジですかぁ?!こんなところで地酒のブレンニヴィンはアルコール40度なので避けたいし、それに104歳のヒリフさんがそんなの飲むのかぁ?と脳内で一瞬パニクっていると、グラスに注がれたのは、シェリー酒!

 「母は夕方のこの一杯をとても楽しみにしているのよ。今日は素敵なお客さまといっしょなので、母も上機嫌みたいですよ」ですって。 夕方のこの時間だから食前酒にシェリーですか。甘くておいしいし、おっしゃれ〜!

 長寿の秘訣はもしかしたら手先を使う編み物と、こうしてホロ酔いになり、楽しくおいしく夕食をいただくことなのかもしれませんね。

 いつもはアイスランドの音楽を通じていろいろな物事に触れていますが、ニットを通すと、いつもとはまた別のアイスランドが見えてきて、とても楽しく興味深い体験をさせていただきました。

 こんな風にいつもとは違った題材でアイスランドを探求する機会が増えるといいなぁと思っています。

 インガさんにはお世話になりました。ヒリフさんもどうぞお元気で、編み物を続けてくださいね!また機会があれば会いに行かせていただきますね☆(小倉悠加/ Yuka Ogura)ロピセーターの本:104歳のアイスランド人おばあちゃんが編むほっこりニット裏話_c0003620_13213440.gif



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日本での扱いはここだけ!というアイスランド満載!↓


by icelandia | 2013-10-08 10:44 | アイスランドってどんな国? | Trackback | Comments(0)
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