地熱利用で自給自足。アイスランドの共生コミュニティ、ソルヘイマル |
じめじめした日と、カーっと暑くなる日が交互に来て、灼熱が着実に近づいてる・・・ヤダ! 東京と大阪のツアー説明会、それからワークショップについては、大阪がこちら、東京がこちらに書いてありますので、興味ある方はお見逃しなく。またICELANDiaショップでは、6月末日までメール便送料無料にしてありますので、この機会にあれこれをゲットしてくださいね! この一年を振り返ると、私は4回アイスランドへ行きました。さすがに尋常じゃないと思ってます(笑)。普通の人は一生に一度かもしれないアイスランド旅行。私、この一年だけで4回ってさすがに多いとはいえ、2003-2004年にかけても4回行っているので、10年に一度そうなるんでしょうか? というつまんない話はいいとして、4月のアイスランド滞在では、久々にプライヴェートで郊外に宿泊したので、そのお裾分けの続きです。すごくゴージャスなアイオン・アドベンチャー・ホテルに滞在した後(その時のブログ)、牧場に一泊し(乗馬に関してのブログ)、その後に向かったのは、ソルヘイマルという共生コミュニティでした。 ここは雑誌『ソトコト』の取材で2008年に一泊し、その時に「今度はゆっくり宿泊したい!」と常々思っていて、やっと実現させました。その時に書いたブログはこちら。 そもそも共生コミュニティとはなんぞやと言えば、平たくは障害者と健常者が互いの長所を生かし合い、協力しあって組織していく地域のことです(という描写で理解できるでしょうか)。その上、ソルヘイマルはシュタイナーの考えに基づいて運営されており、環境保全を旨としてリサイクルにも力を入れています。 コミュニティの本部はこの建物。ソルヘイマルの創設者(女性: Sesselja Hreindís Sigmundsdóttir)を讃え、セセリヤハウスと名付けられています。私が宿泊したのは、ちょうどイースター休暇の時期だったため、中に入れなくて残念。いろいろな勉強会や展示会も催されている場所です。 ちなみに建物のすぐ外にある不思議な形の彫刻っぽいものはベンチで、ソルヘイマルで働いている私の友人が作ったものです。ここのコミュニティの中で目立つ木工や木の看板は、ほとんど彼が手がけています。 観光地ではないため、至れり尽くせりのホテルはありませんが、ボランティア用の簡易宿泊所と、コミュニティのゲストとして招聘される人や、ホテル並みの料金を支払っても宿泊したいという人用に、食事は自炊ですが、ホテル並みの部屋が用意されているゲストハウスもあります。 ここが今回私が宿泊した部屋で、トイレ・シャワー付き。キッチン兼リビングは共同で使用。こんなに広いところで、実は私しか宿泊しておらず、貸し切りでした。写真の左の手前にキッチンがあります。大きなオーブンもあるフル装備で、基本的なスパイスやコーヒー紅茶、ミューズリーやパスタ程度は常備してあります。写真が暗くてごめんなさい。 街中(?)はこんな感じ。本当にゆ〜〜ったりしています。道のところに何やらオブジェがありますね。それが何であるかは、このブログを読み進むとわかります。この写真の空を見ると、快晴の部分と、雲の具合でどうやら雪が降っていそうな部分がわかりますね 前回は一泊だけで、ショップやカフェに寄る時間がなく、それがものすごく心残りで今回滞在したようなものなので、真っ先に行ったのがカフェ!滞在中何度か行って、行く度に違うケーキをいただきました。 青いケーキは抹茶でもピスタチオでもなく、なんとケール!(青汁の原料になるやつ)少し青臭い感じだけど、基本的にはおいしかったです。それと、どうしても食べたくてマカロンをひとつ買っちゃいました。食器はこのコミュニティ内の作品。暖かみがあって素敵でしょう。 カフェの中は広々としていて、一角には子供が遊べるスペースがあります。車イスの人が見えますよね。当たり前ですが、このコミュニティはバリアフリーなので、車イスでの移動を基本に建物等の足周りが考えられていました。 私がここで友人と笑談している間、天気は快晴から曇り、雹、雪に変わり、そしてまた快晴になっていくというのを繰り返していて、頻繁に、それも極端に天気が変わるという意味で、何ともまぁ凄い天気でした。 そして行ったのがここ。お目当てのコミュニティ・ショップ!私はここに4泊したので、4泊分の食糧を買う必用があります。車があれば、近所の街まで30-40分ですが、そんな場所へ歩いて行ける訳がなく、食糧はこのコミュニティ内で調達するしかありません。カフェはスイーツだけで、食事がないし(悲)。 まずはオーガニック野菜!このコミュニティは地熱を利用しての自家発電所があり、その電力を使った温室で有機農法の野菜を育て、近年はこれをレイキャヴィク市内でも販売するようになりました。種類は少ないけど、オーガニック野菜は美味しい。 そしてこれはソルヘイマル・ベーカリー製のパイとパウンドケーキ。クッキーもあります。パッケージを見ただけでたまんなくなる自然のおいしさ!これもレイキャヴィク市内のファーマーズマーケットという小さな店で購入することができるので、友人の自宅での夕食の際に持って行くと、とても喜ばれて重宝してます。売り切れてるとがっかり。 おっと、店の中の全景みたいなのを写真に納め忘れましたが、洗濯洗剤やらの生活用品も売っています。なにせコミュニティ内で商店はここ一軒なので、急場凌ぎの物品や食糧はあります。 このコミュニティ内には各種の授産所があり、これは自生している天然ハーブを使ったスキンケア製品。ここで私はHealing Balm(万能軟膏みたいなもの)を購入。これが草原のような、素晴らしくいい香りがして、その香りだけでも癒されてしまいそうにいい感じ。お風呂上がりに、足のカカトに毎日すり込んでます。おかげでカカトがすべすべになりました! これはニット帽。ニット製品は本当にかわいいのがたくさんあって困った。これから暑くなる日本では必用ないし、売れないし・・・。冬なら手袋も買い込むのですが、ここはグっとガマンして、それでもやっぱり日本人がとっても好きそうな素敵なデザインなので、ショップ用にちょっぴり購入してきてしまいました。言うまでもなく全くのハンドメイド。もちろん使用しているのはアイスランド・ウール。黒い方にもお花がついてるんですよ。これ、冬だったらもっと買ってたよなぁ〜。 そして今回の新発見はコミュニティ・プール!もちろん地熱の恩恵に預かって、温水プールです。ゲストハウスに「マナーを守り自己責任で使ってください」のような但し書きのところにプールの鍵があり、晴れて私もプール・デビュー!って、なにせイースター中なので誰も居ないし、時々プールで体育の授業をしているそうですが、そういうのもなかったです。ひとりでずっと借り切り。さびれた感じというよりも、すごーくアットホームな感じがするプールです。 私がプールに入っている間も、天気は快晴から雪まであり、あったかいホットポットに浸かりながら雪を見るのは格別でした。って、この前行ったプールでも同じような感想をかきましたっけ?(笑)。 薄暗くなってからの夜のお散歩。白夜になりかかっているので、これで夜の11時頃でしょうか。ということで、先ほど道にところにあったオブジェみたいなのが何だかこれでわかりますね。そう、足元を照らす外灯でした。 外灯というと上から道全体を照らすイメージですが、こちらのコミュニティでは、足元をきっちりと照らそうということなのでしょう。 これは地熱を利用した温室。トマト、キュウリを始め、観賞用の草木もあったようでした。中には入れないので、外からガラスに張り付いて、不信者の如く中を覗きました(笑)。 ここには4泊して、それまでになかなか出来なかった仕事をいくつかこなしました。とっても静かな場所なので、すごく集中することができてよかった。私は幸か不幸か音に敏感で、音が気になって物事ができないから、音消しのために音楽をかけたりすることが多く、レイキャヴィクも静かですが、ソルヘイマルも含めて郊外はものすごく静かなのでうれしい。 可能であれば、来年は2月中旬あたりから1-2ヶ月ソルヘイマルに籠もろうか、と。そんな話を現地の友人にしたら、「2月は寒さもピークで暗い日が続いて一番気が滅入る季節だから、そういう時に誰か来てくれると、うれしいよ」とも言ってくれたし。 ソルヘイマルの空気感を思い出すだけで、ものすごく心が落ち着きます。いえ、もうアイスランドの一番賑やかなレイキャヴィクだってかなり落ち着いちゃいますが、ソルヘイマルは格別。大好きな場所です。(小倉悠加/ Yuka Ogura) 『残響のテロル』でも話題!↓ |
by icelandia
| 2014-06-14 00:44
| アイスランドってどんな国?
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