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本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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10月22日アイスランド音楽三昧ツアー最終日レポート(後半)
18:20 予期せぬ告白に・・・・
c0003620_1544490.jpg この街は小さくて本当に便利だ。数分も歩けば目抜き通りに出る。捜し物があり、本屋へ行く。すると、ばったりツアー仲間に会った。ちょうどいい、今からJaraかArniに会おうと思うから、会いたい人がいれば、一緒に会えるかも。
 Jaraは事情あって夜遅くにしか会えないという、アルニは明日から日本へ発つというので、それじゃ日本で会おうということに。よし、そしたらゆっくりゴージャスに最後のディナーでもできるかも、と思いつつ、後で後悔しないよう音楽に全く関係のない知り合いに電話をする。
 
 エイナールは2度目のアイスランド訪問時に宿泊したゲストハウスのオーナーで、現在は既にゲストハウスを手放しているが、最たる理由もなく訪氷するたびに会っていた人だ。
 電話に出た彼の声が変だった。寝起き?
 「え?マジでユーカか?!アイスランドにいるの?」
 「タイミング悪かった?ごめんね。また後から電話しようか」
 「いや、すごいタイミングで電話をもらったもんだ。今、レイキャヴィーク?明日の早朝帰る?何してるの?そうか、Airwavesか。相変わらずだね」
 そんなありきたりな会話をして、それじゃまた、と言おうとしたら、「実は・・・」と彼が切り出してきた。かいつまんでいえば、今年の9月末に胃ガンを宣告され、第一回の化学療法を終えて病院から出て一週間のタイミングで私が電話をしてきたという。
 「君と話していると元気が出てくるよ。有り難う。今から時間あるの?お茶でもしようか?」
 そういう事情では会わずにいられない。彼もまた、すごく気遣いをする人で、私が街中に籠もっていると郊外に連れ出してくれたり、一人飯が続き、もう一人でゴハンするのがイヤとわがままを言えば、ランチ・バディになってくれたり。
 
 身支度したいので30分ほど欲しいという。そのような事情では彼と会うことが最優先だ。私は彼が身支度をする間、関係各所に電話をし、「悪いけど会えない。今後のことはメールで」を連発した。
 
 2年ぶりに会うエイナールは、こざっぱりとした風情だった。引き締まって元気そうな感じだけど、目のまわりが少し黒ずんでいたのが気になった。叫ばなくても話し声が聞こえる静かなところへ行きたかった。いくつか大人向けのカフェを彼は候補に挙げ、SASのホテルへ。街中から少し出るので少しせいせいする(街中でも充分せいせいしているけど)。
 SASサガ・ホテルは日本人の団体観光客が使用する高級ホテルでだけれど、街中から外れているため私は滅多に来ない。というか、隣のアイスランド大学まではよく来ていたけど、このホテルに入るのは初めて。さすがきれいだし高級そう・・・。
 
c0003620_15442754.jpg 「あの〜、悪いんだけど私、すごく腹ぺこなんだよね。食事していいかな」と、いつものわがままを言った。前に見えているサラダバーがおいしそう!(アイスランドで生野菜は高級品!)
 時間帯がまだ早いのか、カフェの人影はまばらでとても静かだ。ゆっくり話すのにちょうどいい。まずは互いに近況報告をして、それから彼は病状についてを話してくれた。その後は食事のことを含めてほとんどスピリチュアルな話をした。
 聞きかじりも多いけれど、マクロビオティックの基本、祈りも含めたヒーリング・エネルギー(言葉や想念の波動)について、音楽の効能、ホメオパシーとアロパシーetc。どうやら彼は私がもっと俗っぽい人物だと思っていたらしく、少し驚いた様子だった。音楽業界はとても俗っぽいところなので、そう思われていても不思議はない。でも、十代の頃から見えない世界に興味を持っていたし、音楽だって見えない世界なのだ。だって音って見えないでしょう。
 要は、この世の中には不条理なことが多すぎて、表面的な物事のとらえ方だけでは気が狂いそうになる。裏を考えることが、せめてもの救いになることもある、ということだ。
 
 彼には夢があるそうだ。それは社会階層の底辺で自信無く生きている人々に、誇りと希望を持って生きていけるような事業を展開していくということ。数年前から徐々にその基礎は作っていて、これから大きく羽ばたこうというタイミングでの、ガン宣告だったという。
 「僕は絶対に生きるし、5年後を目標に、世界レベルの自己啓蒙のコンベンションをレイキャヴィークで開きたいんだ。それを絶対に実現するという強い決意をもたらしてくれたことでは、病気にとても感謝している」と。
 それじゃ私も5年後のそのコンベンションに、必ず参加しに来るからと約束した。私は私で、5年後にはそういったことをボランティアでお手伝いできる状況になっていたい、なっていようという心でもある。
  
  ガランとしていたカフェは満員になり、陽気な話し声があちこちから聞こえて、いつの間にか華やかな場になっていた。エイナールとゆっくり話もできたし、食事もできたし、彼が早くよくなることを心から祈るのが私の役目だと心に刻んだ。

21:30 Jara、可愛すぎぃ〜
 やっぱりJara(ヤラ)に会った。食事をしている間にメールをくれて、「XXで待っている」からと書いてきた。勝手に待っていられても困るけど、彼女の時間が空いたので連絡をくれたようだった。
 特に話すこともないんだけど、彼女は私が執念で見つけた女性だった。どこかのビデオクリップにチラリと出ているのを見て、その声がすごく気に入って、絶対に探し出そうと思ったのが数年前。なので、彼女の名前を再び見つけた時はすごくうれしかったし、そこまでして探してくれた人がいるということも、彼女には励みになっているという。
 「Grand Rokkの演奏ひどかったでしょう。素人丸出しでごめんなさいね。リハーサルの時間がなかなかなくて、ほとんどぶつけ本番で・・・」
 確かにその通りだけど、あれでよかったんじゃないの?可愛いのも才能のうち!彼女は気品のある顔立ちで、日本ならアイドルになれそう。でも既に一児の母で、話を聞いて改めて狭い世界だなぁと思ったのは、私が彼女の息子を数年前に見かけていたのだった。「あの彼とガールフレンドが連れていた子があなたの息子さんなんだ。だったら私、会ったことある。3年前に、チューレ・レーベルのオフィスで」。レイキャヴィークは本当に世界だし、男女関係も入り組みがちになる。高社会福祉国家なので、簡単にくっついて簡単に別れられるということ。
 そんな社会なので、「夫と子供と3人暮らし」というのでは、関係が分からない。「私は、私の息子と、息子の父親と暮らしています」という表現がアイスランドでは正しい。男性が夫でも恋人でもどーでも構わない。自分の息子の父親である、というところがミソ。  
 
22:30 ダメ押しのJFM
 JFMことヤコブには、日本の家を出発する直前に「今からレイキャヴィークへ行くから、24時間後に携帯に電話して」とメールを投げて出た。忙しい人だけど、律儀な性分だから、絶対に電話をかけてくると思っていた。だから、連絡が来ないのは彼の都合がつかなかったのだろうとてっきり思ってた。
 「ユーカ、やっと電話してきたか。ものすごく待ってたよ。」
 
c0003620_15553943.jpg なんと彼は携帯電話そのものを変更していて、以前の電話に入っていた番号を間違って消去してしまったという(あれ〜)。なので、私が来ていることは知っていても、連絡の取りようがなくて、ヤキモキしていたという。明日の早朝帰るから、またメールで話しましょうといって切り上げるつもりが、「101のバーで待っててくれ。15分で行くから」。
 ということで、ちょうど帰り道にあるホテル101へ。ここはレイキャヴィークでとびきりスタイリッシュな空間。大スター級がお過ごしになる特別なホテルでございます、です。週末の夜は成金族で素敵な人々でごったがえすが、日曜の夜は全く誰も居ない。が、ロビーには、ベッドルーム・コミュニティで会ったヴァルギーが誰かと会っていた。ここに私が宿泊しているのか?と尋ねられたけど、まっさかぁ〜の世界。一泊5万は下らない場所だもん。
 「これから人に会うの。誰かは来ればわかるわ」と。
 もったいぶって言ったつもりはない。JFMは文字通り誰もが知っている。ビョークを遥かにしのぐ国民的大大人気グループのメンバーだからだ。
 
 というわけで、レイキャヴィーク最後の夜の締めくくりは、飛び込みセーフのJFM。彼はなぜかチョコ・ミルク・シェーク。私はシャンパン。今後どうしようか、ということを話し合う。話し合っても、私に資金が無いため、あまりどうにもならないけど、それでも彼は私の存在にこだわる。
 
 彼はロサンゼルス、ロンドンと、巨大音楽マーケットの裏を知り尽くしている。なにせロンドンではエルトン・ジョンやフィル・コリンズ等とも縁があり、ロサンゼルスではジェイ・グレイドン、リチャード・ペイジ、ビル・チャンプリン、トム・スコット等、今や超豪華なメンバーとしか言いようのないメンツでアルバムを何枚か制作している。アイスランドでは、音楽市場の70%以上をある大手レコード会社が牛耳っていて、もちろんヤコブもその会社とは縁が深い。でも、彼は大きな会社との取引よりも、個人的な関係を重視する。
 すぐに人が変わってしまう大手のレコード会社の社員よりも、小さな存在でも本当に熱心な誰かに扱ってもらった方がいいという。顔が見えて、気心が知れていた方がいいと。それに、ヤコブは私にとって、かなりエポック・メイキングな存在でもある。
 
 私が会社を起こして、このような仕事をやろうと決意したのも、彼が私に寄せる並々ならぬ信頼と、後押しの言葉があったからに他ならない。彼が私の中に何を見たのかは未だに分からないけれど、ドイツではアイスランドが大好きな女性が、彼女ひとりの力で彼のグループをそこそこの人気まで押し上げたという実績が既にある。なので、ヤコブの中では、熱心に物事をやる女性は、最終的に強いと思っているのかもしれない。私の場合、それが当てはまるのか分からないが、少なくとも人間としての信頼を裏切るようなことは無い。それはどのアーティストに対しても同じだ。
 
 ヤコブのアルバム『ピアノ!』は、本当に素晴らしい(ぜひ試聴してください!)。バンドのような音なのに、全部ピアノでやっている。アイスランドのジャズ系アーティストは世界に出しても遜色のない人が多い。そのクオリティは脱帽ものだけど、なにせ知られてない・・・。それから、ジャズというと「何だかねぇ〜」と理由もなく敬遠されがちなので(=私もその一人でした)、「ヒーリング・ミュージック」ということにしようかと思ってる。内容的にそんな感じだし、インストゥルメンタルだけどポップ性もあるので、ジャンル分けがとてもしにくいし。
 それで、ヤコブには来日話があり、2007年には、3名でグランド・ピアノを操るという話題のステージが日本でも見ることができるかもしれない。
 
          ++++++++++++++++++++++++

 ICELANDiaが企画した音楽ツアーは、本当に楽しかった。個人的には忙しすぎて、せめてあと2泊ほしかったけれど、それは次回の課題として、今回は参加者全員、あれもこれもと欲張りにレイキャヴィークを、アイスランドを楽しむことが出来て本当によかった。オーロラも見たし、音楽も心惹かれるものが多かったし、仕事仲間にも友人にも会えたし、チラリと街中も見たし。何よりも、事故もなく健康に過ごすことができた。
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 最後になりましたが、私のツアーに参加してくださったみなさん、本当に有り難う御座いました。テレビの撮影隊もご苦労さまでした。街中ではお会いしなかったけれど、流行通信の取材も旨くいったことを願っています。それから、私のわがままな企画を実現してくださった地球の歩き方ドットコムの担当者、片道の直行便を使わせてくださったアイスランド航空と、休日にも関わらずお手伝いしてくださったSさん、いつも応援してくれるアイスランド大使館のみなさん、そしてAirwavesの関係者及びレイキャヴィークの人々に心から感謝します。
 あぁ、僕も私も行きたかったと、そこでため息をつきながらこのブログを読んでいるみなさん、ぜひ来年はご一緒しましょう! (小倉悠加)c0003620_13213440.gif




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by icelandia | 2006-11-10 16:04 | アイスランドってどんな国? | Comments(0)
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小倉悠加が参加するツアー説明会、2017年は3月から5月までのみとなる予定です。それ以降は未定です。
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