『静寂の余韻』は心に効く音楽サプリ |
心に効く音楽サプリ いつもICELANDiaのブログにおいでいただき、有り難う御座います。今日のお題は「心に効く音楽サプリ」としてみました。 病気の諸症状に様々な成分の薬効くように、音楽も心のサプリになります・・・って、”当たり前じゃん”と突っ込まれそうですね。世の中にはヒーリング音楽と自ら名乗ってシリーズ化されているものもありますし、例えばモーツアルトの作品の、特定の周波数だけを強調して脳を活性化させるというものも音楽のサプリの一種でしょう。悲しい時に励ましてくれる音楽、力が有り余っている時にエネルギーを発散させてくれる激しい音楽、それがどのような音楽であれ、心に何かの効用をもたらしてくれるのですから、音楽は想像以上に人間の感情と健康に関わっているようです。 現在の自分の心と身体の健康に、今どんな音楽が効くのか?そんなことを考えて音楽をセレクトしたことがありますか?また、実際に自分自身で音楽が本当に自分の心と身体の健康に効いているのかもしれないと感じたことはありますか?音楽はあまりにも当たり前に日常にあり、だからこそ気づきにくいものですが、音楽を耳にした時、それを聞いてどう思うのか、自分の心の声に問いかけてみると面白いかもしれません。 時々無性に、例えばゆでタマゴが食べたくなったりしませんか?そんな時は身体にタマゴの栄養素が不足していることが多いのだそうです。また、いつも化学調味料のきいたカップスープばかりを飲んでいると、天然素材だけで作ったスープに物足りなさを感じたりしませんか? 音楽にしても、流行っているから、人気だから、話題だから聴くのもひとつの方法ですし、話題になるからこそ聴く機会が持てるのですから、それはそれで素敵なことです。でも、音楽のマイブームというか、こういう気分の時にはこれ!という自分だけの、おまじないのような音楽を持ってみたいと思いませんか?特にストレスを解消し、ゆったりとした気分になれる音楽を。 オスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソンのアルバム『静寂の余韻(After Silence)』は、私がこの10年間に聴いた中でも、数少ない大好きなアルバムです。ICELANDiaを設立したのも、こういった音楽をみなさんにお聴かせする機会をつくりたいと考えたことからでした。 それでも、このアルバムは最初からひとめぼれ!という音楽ではなかったのです。初めて聴いた時、なんと地味なんだろうと、地味すぎて全曲同じに聞こえたほどでした。でも、どうしても一度聴いただけではやめられず、バックグラウンド・ミュージックというより、ホワイトノイズのような感覚で毎日流していたところ、結局はその音楽のペースにハマリ、今ではストレスを感じた時に必ず聴く音楽となりました。 なぜこの『静寂の余韻』がマイ・ブームなのか。それは、実際にアイスランドへ何度も足を運び、あの清々しい土地の雰囲気を全身で感じた体験がよみがえるという個人的なこともありますが、音の隙間から漏れ聞こえるオスカールのサックスの息づかいや、丁寧にポロリポロリと1音ずつ音符を重ねていくスクリのギターに、人間味あふれる温かさと表情を感じるからです。音が奏でられる瞬間瞬間を、ゆっくりと追いながらじっくりメロディを楽しめる空間がそこにあります。心の奥の奥からほっとするそのひとときは、今までに聴いたどの音楽にも感じたことのない不思議な感覚で、このアルバムを聴くうちに、私は自分の呼吸がゆっくりしていくことをいつも感じます。 サブリミナル音楽を試したことがありますか?音楽のどこか(人間の耳に聞こえない高周波でしょうか)にポジティブな言葉が吹き込まれていて、くり返し聞いているうちに、心がポジティブになっていくのだとか。ヒーリング音楽と称するものも聴いてみました。個人の趣味といえばそれまでですが、どうもそういった音楽は化学調味料的な味がぬぐいきれず、「これを聴けば心が楽になるはずだ」と自分に言い聞かせながら毎日日課にして聴いた時期もありましたが、結局は虚しいだけでした。第一、電子楽器の音はどうもトゲトゲした感じがあって、私はなじめません。ポップスやロックに使われている電子楽器音は好きなんですけどね。それから例外的に宮下フミオさんの音楽は好きでしたが。 モーツアルトが「頭の良くなる音楽を作ろう」と思わなかったように、オスカールとスクリもヒーリング音楽を作った覚えはないことでしょう。でもこのアルバムはストレスの多い現代に、ゆっくりと呼吸をする時間を運んでくれます。追い立てるようにリズムを刻むことはなく、美しいメロディのゆらぎで全身を包んでくれます。このアルバムを聴いて、最初に私が思ったように、地味だとかツマンナイとか感じたら、もしかしたらあなたは日常の刺激の強い音楽に毒されているのかもしれません。 人の趣味や感じ方は千差万別。巨大バジェットのハリウッド大活劇が好きだという人もいれば、性格俳優がいぶし銀の演技を光らせる映画の方が面白いという人もいるように、音楽もその時の気分で上手に”使い分け”ればいいことです。ストレスが溜まったなと思った時、何となく疲れたなと感じる時、オスカールとスクリの『静寂の余韻』を是非ご試聴ください。気持ち良い生活に、ICELANDiaの音楽を! (小倉悠加) |
by icelandia
| 2005-02-22 03:07
| Jazz
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