execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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"Army of Me"を地でいくビョークのチベット発言を考える
 日本語に「沽券にかかわる」という表現があります。面目や体面にさしさわりがあるという意味で、封建的な響きがあり私はあまり好きではなく、最近の中国のあれやこれやの動きや言動を見ていると、どうもこの(意味のない)「沽券にかかわる」が多すぎる。

 ギョーザ問題の次に来たのがビョーク。ギョーザとビョーク、似ていて妙(不謹慎でごめんなさい)。

 事の発端は、ビョークが「Declare Independence (=独立を宣言しよう)」を演奏した際、中国公演で「チベット!チベット!」と叫んだこと。東京で「コソボ!」と叫び、セルビア公演主催者から抗議とも解釈できる電話が入ったという情報もあったけれど、結局は主催者から政治がらみでアーティストを閉め出すようなことはしないし、したこともない、という連絡が正式に入って納まった。

 が、中国はやっぱり中国。在アイスランドの中国大使館が、中国公演でのビョークの発言に対して遺憾であるという声明を発表:
 
 ビョークさんが上海で取った行動に、中国の人々は強い憤りを感じている。中国は多民族国家であり、チベットは古代から中国の不可分の一部だ。これが国際社会の認識とされており、チベットを独立国家として認めている国はひとつもない。チベットを中国から独立させようとするいかなる試みも、中国人と正義を重んじる世界中の人々から、必ず反対を受けるだろうするすべての試みは、若干でも正義を持つ諸外国や中国人から自ずと抵抗されるであろう。


 というような上記の抗議声明に抵抗を感じる私です。第一、いちいちロック音楽のステージで起こったことに目くじら立ててどーすんの?表現の自由が保証されていない国であり、その国の中での「不適切発言」はいくら外国人といえども許し難い状況は、ある程度理解するけれど、でもそんな風にイチイチ反応するから、「いくばくかの正義を持つ諸外国」から胡散臭い目で見られるんだけど・・・。
 ということは若い世代の中国人は知っていても、上に古い世代がしっかりはびこっているだろうから、トップダウンしかあり得ない国では、そういうリアクションを世界に投げかけなければならないんだろうなぁ。

 というような動きがあることを見越してか、中国大使館の声明より一足早くビョークは公式サイトでやはり声明を発表していました:

 いろいろな機会で「Declare Independence」をコソボやチベット(その他のことも含めて)に捧げるようになると、多くの人から声明を求められるようになりました。
 ここで重要なのは私は政治家ではなく、終始一貫してミュージシャンであり、だからこそ人間のあらゆる情感を表現しようと試みることが私の義務だと感じています。独立の宣言を歓呼するのはその中のひとつにすぎず、また人生のどこかで誰もがそう感じる重要なことです。この曲はどちらかというと個人を想定して書かれたものですが、実際には制圧された国家の苦渋という一番広い意味での解釈がなされいるし、それはうれしいことです。
 独立のために戦っている個人や国家に幸多かれ。
 正義!

 心をこめて、ビョーク


 ビョークのこの言葉の方が、私にはしっくりきます。だからといってこれが正義だとは言いませんが、国際社会一般の理解は得やすいことでしょう。

 ちなみに、上海公演のDeclare Independenceの動画はYouTubeのここここにあります。上海公演を見た日本人のブログはこちら。

 アイスランドも約60年前までは植民地でした。ビョークの父親が生まれた年にアイスランドは共和国として独立したそうです。なので、植民地時代を知るアイスランド人はまだ沢山います。
 制圧された時代を体験したり、その雰囲気を色濃く残した時代に生きた人々に育てられた彼女が、他国に支配されている地域にエールを送るのは、ごく自然なことのように思えます。アイスランドが民主主義発祥の地であることもお忘れ無く。

 そういえば映画『スクリーミング・マスターピース』の中で確かビョークは、アイスランド人としてのアイデンティティとは何かを模索した最初の世代が彼女の世代であるというようなことを言っていましたっけ。
 それにビョークが言うように、独立は国家だけのことではなく、非常にパーソナルな部分での独立もあることでしょう。物理的なことにしても精神的なことにしても。
 それが国家であれ個人的なことであれ、独立と感情は密接につながっているため、アーティストとして具現化したいと思っても何の不思議もありません。

 中国としてはこれまでの理論を即座に変える訳にはいかないし、社会がオープンになってきているとはいえ基本は共産主義国。貧富の差は広がるばかりだし、20年前の天安門事件では自国の軍隊が丸腰の市民を容赦なく撃ち殺した国。教育はすべて有料。識字率80%。なぜ自治拡大を求めるダライラマがチベットへ帰れないのかetc。ビョークの発言を通して、多くのことは私は思い出し考えさせらています。

 もちろん日本だって掘り起こさなくても垢がボロボロ出る国ですが・・・。

 ・・・本当はこの辺でこのブログは書き終わる予定でしたが、その後、出てきた情報がまたまたふざけてる。
 憶測の域を出ていないとはいえ、中国が「ダライ・ラマがオリンピック破壊を口にした」と言いだした。あぁこの国は本当に嘆かわしい。虫一匹殺さないチベットの神聖な人物は、冗談でもオリンピック破壊など口にしないことでしょう。その位わかんないのか・・・。世界の反感を焚きつけてるとしか思えない。

 そして仕舞いには(たぶんこの辺で最後だと思う)、中国文化省がビョークの発言が「中国人民の感情を傷つけた」と非難し、今後訪中する外国芸能人の審査をより厳格化するとあります。私はこれを「ビョークは中国政府高官の感情を逆撫でした」と読みました。中国の一般人民は少なからず、ビョークの発言にある種のシンパシー(共感)を感じたのでは、と。

 ・・・これで仕舞かと思ったら「ビョークには法的措置をとる」と言っているそうで・・・。中国政府が許可した楽曲に「Declare Independence」は入っていなかったということであれば、まぁその国の中でのルール違反ということにはなりますね。でも「国民の感情を傷つけた」ってマジそう考える?その前に自国の軍隊が国民を大量に殺したことを反省したりしないの?チベットの人々の感情を傷つけていることは?・・・あぁ、私には理解不可能の国です。ごめん。

 アーティストというのは、表現の自由があってこそのものだと思います。もちろん人々を不快にするものは、避けるべきでしょう。でも、この場合はそれに当てはまるとは思えない。そんなこと言うなら、やはり中国は以前のようにぜひ国外からのアーティストは全面的に閉め出してください。・・と、言いたくもなる。

 中国は歴史も古く、素晴らしい哲学も生まれ、秀でた文化を持つ国です。日本がその文化の恩恵に預かっていることも動かし難い事実ですよね。中国の若い世代が、新しい政府 / 政治を育て、万人が幸せになれる仕組みを模索していくことを強く希望すると共に、ビョークが投げかけた一石が、人々の心に広がることを願わずにいられません。

I support what Bjork has done in China and I admire her courage. I consider myself to be a world citizen "who have a modicum of justice". Almost all opinion expressed in Japan has been favorable to Bjork. Let's imagine celebrating Tibet's independence. Then it will happen.

Declare independence!
Don't let them do that to you!

***

 昨日、日本アイスランド協会の総会へ行ってきました。外務省のアイスランド担当という若くて素敵な女性が声をかけてくださいました。お堅いイメージしかない日本政府の、それも外務省のアイスランド担当がとびきり素敵な女性で、ものすごーくうれしかったです。ぜひ仲良くさせて下さい。(小倉悠加)c0003620_13213440.gif




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 アイスランドのエコをシルバー作品で↓
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by icelandia | 2008-03-10 11:11 | News | Comments(5)
Commented by guifu at 2008-03-11 19:12 x
この公演について記事にしていますので良かったら見に来てください。チベットについては別に記事をいくつか書いています。
Commented by icelandia at 2008-03-11 22:19
リンクを有り難う御座います。上記ブログの中の文章に追記させてください。YouTubeでは見たので、白けて客が帰ったって感じじゃないよなぁとは思っていましたが、やはり気づかなかった人も多かったというのが真相のようですね。
Commented at 2008-03-14 14:49 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by icelandia at 2008-03-17 17:59
中国政府は人間とは思えない残虐な行為を繰り返しています。崇高な哲学が政府では機能しないのは、日本も同じなのかもしれません。
Commented by guifu at 2008-03-18 12:25 x
TBありがとうございます。私も追記させていただきます。コメントもありがとうございました。
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