エコ・コンシャス最先端:水素バスの走るアイスランド |
アイスランドはエコ・コンシャスの最先端を歩む国です。例えば、現代社会に欠かせない電気を供給するための発電手段としては、火力発電、水力発電、風力発電、原子力発電等が知られていますが、地熱発電をご存じでしょうか。地熱発電とはマグマの熱を生かして発電する方法です。地熱の発電とて害が全くないわけではないそうですが、それでも石油を燃やしたり原子力を使用したりするよりはずーっと安全で環境に優しいことは明白です。 そして環境保全を国が積極的に取り組んでいるアイスランドは、この地熱発電を主な電源にしています。地熱は火山国であればそこらへんにあるので(ありますよね)、戦争をしているような国から石油を購入する必用も、プルトニウムを扱う必用もありません。 クリーン・エネルギーを旨とするアイスランド国内で、石油に頼らざるを得ないのが自動車等の燃料。そこで登場したのが水素バスです。世界で初めて公共バスに水素バスを導入したのがアイスランドで、現在では3台のバスが活躍しています。まだ試運転中ですが、実際にバスルートを毎日走っているので、ラッキーだとこのバスに乗ることができるそうです。 バスが走るくらいなので、ガソリン・スタンドならぬ水素スタンドもあり、こちらは2004年4月にレイキャヴィーク市内に世界初オープン。世界初にオープンしたところで、個人的に水素自動車を持っている人が果たしてレイキャヴィークにいるのか・・・。デカプリオやハリソン・フォードのようなハリウッドの大スターは、早々とこの水素カーに乗り換えているそうですが。 水素バスはレイキャヴィークだけではなく、現在ヨーロッパではアムステルダム、バルセロナ、ハンブルグ、ロンドン、マドリッドなど10都市が走らせています。メルセデス・ベンツ社のバスが主流で、ダイムラー・クライスラー製もあるそうです。その評判はといえば、「ジーゼル・バスはうるさくて、9時間も座っていると頭痛がしてくる時があるが、水素バスはその点静かでいい」とは、レイキャヴィク市のバス運転手の言葉。 アイスランドでは2030年までに化石燃料を一切使用しない国造りを目指しています。日本ではどうなのでしょうか。ちなみに、アイスランドで取り入れられた地熱発電の心臓部であるタービンの多くは三菱重工製。日本の技術がアイスランドの自然環境に寄与しているなんて、うれしいと思いませんか? アイスランドへ行くと、空気が軽くさわやかに澄んでいて、とたんに呼吸が楽になります。日本の首都圏にいると、そこに空気清浄機が入っていても、なんだかドロンと濁った空気を吸っている感じがぬぐえません。考えると不気味なので、あまり考えないようにしていますが、早く空気のきれいな世界になってほしいものです。アイスランドの空気がおいしい理由は、国をあげての努力にあるんですね。 この試みに弾みがついて、世界中で水素燃料の自動車が走る日が来るまでは、ICELANDiaの音楽を流して、アイスランドの空気を感じ取ってくださいね。お勧めはオスカール・グジョンソンのアルバム『静寂の余韻』の11曲目「Saetti/満ちたりて」です。ちなみにこの曲は私の着うた。着うたはモバイル・コロムビアから購入できます! (小倉悠加) |
by icelandia
| 2005-02-27 01:45
| 環境・エネルギー関係
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