execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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携帯サイト、作ってみました
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 アリヨス・エンタテイメントのalljos.comのサイトを全面リニューアルすべく準備に取りかかったついでに、実験的に携帯サイトを作ってみました。CGIを使い、パソと携帯を振り分けたいのですが、「CGIの設置ってどうやるのぉ???」という超初心者状態。大元のindex.htmlと同じ場所に置けばいいのぉ???と家人に質問しても、「わかんない」とつれない返事。
 
 とにかく作りました。
 http://alljos.com/mobile/i/index.html
 http://alljos.com/mobile/v/index.html
 上がドコモとau用で、下がvodafone用になっています。

 とりあえずはalljos.comにアクセスして、「携帯サイトはここ」で飛んでいただくこともできます(http://wwwというのは不要で、alljos.comだけブラウザーに入れれば到達できます)。
 
 私は1988年から電子メールを使用してきたほどのネット人間ですが、どーもまだ携帯の世界には入り込んでいなくて・・・携帯サイトの世界はよくわかりません。ご感想や、もっとこーした方がいいよぉ等、何かコメントしていただけると参考にしますので、すごーくうれしいです!(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
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by icelandia | 2005-08-31 17:42 | News | Comments(0)
アイスランドの音楽コミュニティ・ドキュメンタリー映画
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 アイスランドのドキュメンタリー映画『Screaming Masterpiece!(Gargandi Snilld)』がヨーロッパ各地で話題になりつつあり、秋のサウンドトラック発売でいっきに爆発しそうな気配です。日本での配給等はたぶんまったく決まっていないでしょうから、邦題は分かりませんが、英語を訳するなら、「傑作を叫ぶ」という感じでしょうか。
 英語自体の解説ですが、「叫んでいる傑作」ではなく、この場合は、「誰かが傑作だと叫んでいる」か、または「傑作自身が傑作であると叫んでいる」という解釈が正しいかと思います。
 
 c0003620_1975775.jpg 内容はアイスランドの音楽コミュニティについて。ビョークやシガーロスのようなインターナショナル・アーティストが中心で、ローカルに活躍しているグループもいくつか出てくるとか。サウンドトラックにも当然ビョーク、シガーロス、ムーム、ムーギーソン(私はムギソンと呼んでいますが)、が詰まっていて、ICELANDiaから9月16日に発売されるバングギャングも収録されている模様。きっと当然暴れん坊(?)のトラバントなども出てくることでしょう。
 ごく個人的なことになりますが、アイスランドはコミニュティ自体が小さいので、ひとり誰かを知っていると、あれよあれよという間に大勢を知ることになります。また、国自体の特殊性というか、先進国でありながら自然環境の厳しさと隣り合わせでもあるため、人々の心に他の諸外国とは違った独特の世界観があり、たぶんそれは古典である北欧伝説が今に息づくといったことも手伝って、そこから生み出される音楽も当然他のどこからも生まれてこない個性の強さがあり、本当に本当に、心からスゴイところだと感じます。
 ビョークもシガーロスも国際的なアーティストであるという点では、マス・プロデュース(大規模制作)されていますが、個性という点では、どちらも唯一無二の存在です。それで、アイスランドにはこういった唯一無二の存在が国の規模からすると考えられないほど多く存在している割には、どこのマス・マーケットとも隔たりがあり、なかなか多くの人々に知ってもらう機会がない。人口の少ない島国では閉塞感があり、ましてや文化言語のまったく異なる日本へのチャンネルは、大規模レーベルを通さない限り望めないーーーというような状況を打破する手だてはないか・・・・。話しは少し逸れますが、私がアリヨス・エンタテイメントを設立し、ICELANDiaというレーベルを作ったのも、そんな思いがあったからです。
 
 この映画、見たくて仕方ないのですが、去年の秋以来アイスランドへ行っていないので、当分お預けのようです。80年代初頭、同じようにアイスランドの音楽シーン(当時はまだパンク色が強かったものですが)を取り上げた映画『Rokk i Reykjavik (Rock in Reykjavik)』があり、その続編ととらえる人もいるようです(ただし監督は異なりますが)。『ロック・イン・レイキャヴィク』はティーンエイジャーだったビョークが出ていたこともあり、熱心な音楽ファンは見られたことのある方も少なくないのでは?私の記憶に間違いなければ2-3年ほど前からビデオやDVDが出ていましたね。
 
 来年にはアイスランド映画祭が日本で行われるという噂があります。その時に『Rokk i Reyikjavik』と21世紀のアイスランド音楽シーンをとらえた『Screaming Masterpiece』の両方が見られるといいなぁ>主催者様
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 さりげなーく毎回入れているので、だーれも気づいてないかもしれませんが、右横にあるロゴをクリックするとアリヨス・エンタテイメントのサイトに飛びます。秋口からリニューアルして、アーティスト情報をドカンと増やす予定なので、どうぞぜひご注目ください! (小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
 
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by icelandia | 2005-08-30 19:10 | News | Comments(3)
シガーロス誕生日潜入記
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 私、密かにレイキャヴィークについての本を書いています。ヒミツで書いているわけではなく、どこでどのような形で出版されるか全く未定なので、一応密やかにということにしておこう、ということで、出版社、大募集中です。
 以下はその本に掲載するつもりでメモ書き代わりに書き留めておいたものだけど、情報はあれよあれよという間に古くなるため、シガーロスのニュー・アルバム発売を記念して、お裾分け致します。
 
 文中に、つじつまの合わないのはブログ用に書いたものではないせいで、例えば「前にも書いたが」と書いてあるのに、それについての記述が文中に全くない等、わかりにくい箇所は、申し訳ありませんが無視してください。
c0003620_15323057.jpg なぜ今頃このような文章を公開することを思いついたかといえば、アイスランドが誇るポップス・グループ、バングギャングのアルバム発売が、計らずもシガーロスと同時期になったから。バングギャングはシガーロスに次ぎ、インターナショナルでメジャーな存在になると有望視されているグループで、シガーロスとは音楽性が異なるけれど、シガーロスとは違った場面での、アイスランドのある種の雰囲気をよく出しています。ヨーロッパのMTVでヘヴィ・ローテーションになった「ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ」のビデオはグループのサイトでご覧になれます。Excite Music Storeにもそのうちにアップされてダウンロードできるようになると思いますが、発売元のICELANDiaに予約注文すれば、送料無料+何かのオマケ(フリーペーパーのIceland Style、7月に行われた万博のアイスランド・デイのプログラム、ポストカードのどれか)付きなので、アイスランド・ファンのみなさん、ぜひご利用ください。 『サムシング・ロング/バングギャング』ISLP-1001 発売は9月16日です。
 
 前置きが長くなりましたが・・・。
 
 私はアイスランドの首都レイキャヴィークで行われたシガーロスの10歳の誕生日(グループ結成10周年記念)に潜入したただ一人の日本人でした。潜入したというより、たまたま噂を聞き付け、その会場が宿泊していたホテルの近くだったこともあり、足を運んだだけなのですが、今思えば信じられないような出来事なので、シガーロス・ファンや音楽好きのみなさんに、少しでも楽しく読んでいただけることを願います。メモ書きなので、長ったらしいけれど、その雰囲気は何となく分かってもらえるかと思います。
 
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 2004年1月10日(土)シガー・ロス10周年記念誕生日パーティ潜入記: ビョークも来ました!

 ヨハンから数日前に気になることを耳にした。電話での短い連絡で、「よくわかんないんだけど、今度の土曜日にシガーロスの誕生パーティがあるらしい。そこでトラバントが演奏するみたいだから、行くといいかもしれない。時間は決まってないらしいけど9時か10時にははじまるんじゃないかな。場所はXXX何とかとか言っていた。僕もよくわかんないんだけど、誰かに会った時に聞いてみてくれ」ということ。
 これが東京であれば日時も場所もはっきりしない不親切極まりない情報だが、レイキャヴィークであれば事情は別。トラバントのメンバーは友人なので直接彼らに聞いてもいいし、地元のマイナー・バンドではなく国際的に活躍するシガーロスのパーティなので、他の音楽関係者も知っていることだろう。通りでシガーロスのメンバーを見かけるかもしれないし、情報の断片さえあれば、それで事は足りる。
 案の定、その場所はキモノのメンバーであるアレックスが教えてくれた。「そのパーティについては知らないけど、会場はきっとレストランの上階だと思う」と。
 
 夜の9-10時頃始まるということは、たぶん9時に行っても誰もいないかもしれないからと思い、その場所へは9時半に行った。ここらへんが日本人の律儀なところで、どうしても時間厳守したくなるところを、わざと時間をずらすのは気持ち悪い!
 もしも場所が分からなければ誰かに電話すればいいやと、アレックスから聞いた場所へ行った。そこは宿泊していたホテルの2軒先なので、間違えたとしても大したことはない。確かにレストランとは別側にドアがある。しかし有名バンドのパーティの割には周囲にまったく人がいないし、目の前の白い大きな扉は人を拒むかのように冷たく閉ざされているし、不安。
 案の定、その扉は押しても開かなかった・・・と思ったら、私の押し方が足りないだけだった。アイスランドの扉は往々にしてこんなもんだ。店舗の扉でも人を拒むかのように固く閉じられている。厳しい自然環境を思えば当然のことだが、ドアは開いているか、自動ですぐに開く日本の軽薄ドアしか知らないため、どうも勝手が違って戸惑うことが多い。
 ドアを開けるとそこは天井の高いガランとした入口になっていた。物置代わりにしているのか、自転車が一台と何やら機材が置いてあった。入ってすぐの左手にこのビルに入居している会社名らしき案内看板があった。確かに最上階にはヨハンから聞いたXXXという言葉と似たような響きの名前がリストされているし、インターナショナル・アーティストにふさわしく大理石のフローリングでゴージャスな感じはする。奧へ入ると左側に更なる通路があり、すぐに階上へと続く階段とエレベーターが見えた。それでもどーしてもイベントが行われている雰囲気ではなく、エレベーターが動かなかったらどうしようと、とにかく不安が拭えない。
 
 業務用のような大きなエレベーターで最上階へ行くと、一応照明はついていた。それでも不安・・・だって、本当にシーンとしていて、パーティ会場という雰囲気が一切ない。日本のように親切に、「パーティ会場はこちら」なんていうビラさえ貼っていない。もっとも貼ってあったとしても、アイスランド語では読めなかったことだろう。
 エレベーターを降りた通路の横に、いくつか通路や部屋らしきものがあったが、とにかく一番短そうな通路を歩き始めた。不安も手伝ってか、この3メートルほどの通路が長く感じたこと。少し歩くと右手に横幅2メートルもあろうかという長いコート掛けがあったが、そこにあったのはほんの数枚のコート。そこまで到達すると、どこからともなく音楽が聞こえてくる。あぁよかった。やっぱり少なくとも何かはやっているようだ。それに、その音楽は長年聴き慣れたカーペンターズの「「雨の日と月曜日は」なのでホッとした。更に歩き進むと、右手奥にバーのカウンターがあり、女性2人と男性1人が飲み物を用意していた。
 「誰かの誕生日だか何かがあると聞いて来た者ですが、実際何のパーティなのでしょう?」とそこの女性に尋ねると、「シガーロスの結成10周年パーティよ。”誕生日”ってことみたいだけど。メンバーは奧の部屋にいるわよ」
 バーを横切り更に奥まったところに、ライブ会場になる気配の30畳ほどの広いスペースがある。とても説明しにくい構造だが、そのライブ会場にドア一枚で仕切られるような小部屋があり、そのテーブルにシガーロスのメンバーと友人らしき数人が笑談していた。
 2003年4月の来日の際シガーロスとはアイスランド大使館で会っていたが、その時はコンサート後で疲れていたような感じだったので、自己紹介もそこそこあまり声をかけなかったから、たぶん彼らは私を覚えていないことだろう。ガランとしているので、とてもバツが悪い。知らんぷりでも変なので、ここは思い切って自己紹介することにした。
 「日本からたまたま来ている悠加です。アイスランド大使館でお会いしたことはあるんだけど、きっといろいろな人に会ったので覚えてないことでしょう。ヨハンからの電話で今日のパーティを知って、来ちゃったんだけど、招待されているわけではないから、お邪魔だったら・・・」と言いかけたら、
 「自由に飲んでエンジョイしてくれればいいよ」と言ってくれたのがキーボード担当のキャータンだった。彼らはヴーヴクリコを飲んでいた。
 みんなが集まっているテーブルには席の空きががなかったので、私は会場を一周して見てまわることにした。メンバーが集っていた部屋の横、私が通った長い通路に平行して実はもうひとつ部屋があったし、その細切れ感が面白かった。なんでも、夏はカフェ/レストランとしてオープンしていて、冬はこうして貸し切りのみに使っているそうだ。隠れ家的なカフェになっているようで、夏の間この周辺を頻繁に行き来していた私は、この場所のことを全く知らなかったし気付かなかった。
 そうして会場見学をするうちにテーブルの席が空いたので、ワイン片手の私はそこに腰をおろした。
 「私、エアウエイヴスの時も来ていて、アルバム・リーフの演奏はすごく感激したわ」とキャータンに言うと、隣のマリアが「私も演奏していたのよ」と言う。マリアはシガーロスのバックでバイオリンを弾いているメンバーであり、キャータンの奥さまでもある。金髪、色白、小柄のとても素敵な北欧女性だ。
 「もちろん覚えているわ。ギター、キーボードの響きにしっとりと艶やかなあなたのバイオリンがとても美しかったわ。ただでさえ綺麗なレイキャヴィークの空気を、更に浄めて人を夢心地にするような、本当に胸にジンとくる演奏だった」
 それを聞いたキャータンもマリアも満足気だったし、私のその言葉は決して嘘ではなかった。エアウエイブスのところでも書いたが、アルバム・リーフが誰だか知らなかっただけに、先入観なしに演奏を聞くことができたし、ヨハンの教会ライヴと並び、エアウエイブスのマイ・フェイバリット・ライヴだった。

 そんな話で少しはもりあがろうかと思った時に、ガタイのデカイ人物がやってきた。トラバントのドッディだ。そして私の横にかなり目鼻立ちの整ったスタイルのいい30代であろう女性が座った。そしていきなり私に向かって「私が留守中に家に来た人ね」と。
 何の事やらわかりませんとばかり、何の言葉も返せないでいると、
 「私がドッディの同居人、ガールフレンドのラーラよ」
 2003年5月、アイスランド・ブルーというイベント関係の出張で私は初めてアイスランドへ行った。その時出演予定のトラバントのメンバーにインタビューをしたのが、ドッディの自宅だったのだ。なんだそうだったのか。確かにお邪魔しました。ベッドの上にコートを置かせてもらいました!
 「あの時は自宅を使わせてくれてありがとう」ということで、ラーラとの会話が始まった。彼女はキャータンのお姉さん(!)で、フューネラルズのメンバーでもあるという。誰が誰の友人でも驚かなくなった私ではあるが、さすがに実の姉というのは少し驚いた。つーことは、ドッディはキャータンの義兄弟ってこと?!後から知ったことだが、ラーラは女優さんであるという。目鼻立ちがくっきりしているのでさぞブラウン管の映りもいいことだろう。
 次にはトラバントのギター担当ヴィッディが可愛いガールフレンドを連れてやって来て、ヴォーカルのラッシも現れた。何時頃からライブをやるのかと聞くと、残りの1名が仕事の都合で11時頃まで来られないだろうという。
 「とにかく全員集まったらやるから」というアバウトな返答。入場料があるわけではないどころか、無料で飲み放題なんだからライブがいつ始まろうと始まらなかろうと、構わないよね。
 
 会場の音楽はDJを頼まれた誰かと、シガーロスのヴォーカル担当ヨンシーの趣味で決めているという。70年代のモータウンやポップスが中心。カーペンターズは「The Singles」というアルバムを3回ほどフルにかけていた。アルバムを見たわけではないが間違いない。その他はジャクソンズやマーヴィン・ゲイなど。
 かなり人が集まってきたしトラバントがセッティングを始めるというので、テーブルを離れてライブ・ステージの周辺へと移動した。サウンド・チェックは開場前に一応やっておいたそうだが、やはり細かいところが気になるらしい。時間は10時半、それでもまだ最後の1名であるヒリンシが来ない。トラバントのメンバーの彼女達とあれやこれやの一連の四方山話を終えた後、私は会場を再度一周してみることにした。
 地元の彼らに言わせれば「大統領以外の有名人が全員居る」というほど、あの会場には地元では知られた人が揃っていたそうだ。確かに私ごとき部外者でも、20名程度は顔を知る人物がいた。それに紹介される人は全員何らかの芸術に関わっていて、映画監督、美術アーティスト、小説家等がすこぶる多かった。そんな中、いつも12Tonarで会うエイナールも来ていたし、アイスランド大学で日本語講座を学ぶ生徒がエイナールの友人でありシンガポール・スリングのメンバーでもあることを初めて知った。
 それはバーのカウンターに近づいた時だった。1時間前とはうって変わって、人混みをかき分けないと歩けない状態であるから、少し離れていると全然見えない。そう、ビョークが来ていたのだ。彼女は鮮やかなピーチ色のロングドレスを着ていた。胸のところがシャーリングしてあり、そこからカーテンのように流線型を描いて、布がきれいに垂れているような、そんな感じのドレスだった。
 一瞬声をかけるべきかどうか迷ったが、このようなチャンスは滅多にない。今思えばインタビューを直接申し込めばよかったけれど、地元に帰ってきてまで海外のジャーナリストに追い回されたくはないだろうと思い、結局しどろもどろに近い自己紹介をして終わってしまった。いったいこの人は何が言いたいのか?というような怪訝な顔をされてしまったが、まぁ私のことは彼女が地元で所属する会社のメンバーから風評で聞くかもしれないので、それはそれでいいだろう。日本の人々にレイキャヴィークの魅力を知ってもらいたくて本を書いています、ということは伝えたので、それでヨシとした。
 
 4回目の訪氷にしてやっとビョークに会えた!とミーハーしながらステージへ戻ると、トラバントのメンバーが全員揃っているではないか。時計を見ると11時をまわっている。会場はすし詰め状態。150人ほどいるのだろうか。それでも、前の方には余裕があるようなので、遠慮なく最前列へと進んだ。ステージ前とはいえ、ステージも客席も高さは変わらない。正確に言えば、ステージとおぼしき場所には10センチほどの段差があるのみだ。
 サウンドチェックを終えメンバーが会場外へ出ると、頃合いを見計らったように蝶ネクタイの老紳士がステージのマイクの前に立った。誰なのかわからない。アイスランド語なので話の内容もわからない。観客が神妙に拝聴しているところを見ると、誰かエライ人なのだろう。
 
 c0003620_131940.jpg
 トラバントの登場はいつも大げさだ。ファンファーレのようなシンセが鳴り響き、メンバー全員が天に手を仰ぎ、いかにも「これから大暴れするよ!」という雰囲気をかもす。趣味の良さを示す代表格の”さり気なさ”とは全く無縁のグループで、何でも派手にやらなくては気が済まない。トラバントのことは、エアウエイヴスのところでも書いたので詳細は省くが、今回も超ノリノリだった。それもミュージシャン仲間や業界人が多いせいか、客席とステージの間には強烈な期待感があり、それはほとんど異様な盛り上がりだった。シガーロスのお気に入りバンドでもあるから誕生日を迎えた本人達は全員前に繰り出し、特にキャータンは奥さまのマリアといっしょに最前列の真ん前で拳を振り上げて楽しんでいた。
 トラバントのヴォーカルのラッシことラグナーは本当に演劇好きで、アチコチの小シアターで機会あるごとに細かなパフォーマンスを繰り広げていることが分かってきたし、アイスランドのクリスマスの終了日(1月6日)には山へ帰るサンタのパフォーマンスを私も見た。ヨーロッパ諸国でも名高い舞台監督を父親に持つ血筋か、根っからのステージ人間だ。
 そして今日はアイスランドが輩出した国際的バンドの結成を祝う晴れの舞台だ。ラグナールはタキシード姿で髪もバックでバッチリ決めて、見た目はフォーマルだが、歌うその姿はクレイジーなロックンローラー。本領発揮で中盤からはシャツを脱ぎ、そしてズボンを脱ぎ捨てる。ズボンの下は白い線の縁取りがある黒いブリーフで、何でも家族がクリスマス・プレゼントにくれた”衣装”だそうだ。彼がブリーフ姿になる頃にはビョークも前列までやってきて、楽しそうに踊りまくっている。こうしてアーティストがひしめいているレイキャヴィークでも、ご当地一流の音楽アーティストがこれほど集うことは滅多にあるまい。ビョークとシガーロスがそこにいるだけでもスゴイのに、その上アメリカやイギリスのレーベル経由で世界中にCDが出ているグループのメンバーも数多く顔を揃えていた。
 ラグナーのセクシーなブリーフ姿に誘われ、ムギソン(ムーギーソン)がギターを持って飛び入りしてきた。『Lonely Mountain』というアルバムで2002年に突然現れた話題のアーティストで、2003年9月にはムームと共に来日してギター、歌、ラップトップでのワンマンバンドのパフォーマンスを見せてくれた。街で見かけるムギソンはやわらかな物腰の男性だが、今日のステージは今までにないほど激しくロックンロールするムギソンだ。ラッシとのちょっとエッチな掛け合いもあり、これ以上あり得ないというほど客席も激しく盛り上がる。そこにいつもはクールな顔をしているベースのヴィッディが、クイーンのフレディ・マーキュリーのようなバレータイツ姿を披露。もう何がなんだかわかんないよ・・・。c0003620_1322299.jpg
 アイスランド語での「ハッピバースデイ、シガロース!」というのも歌われ、滅茶苦茶楽しくパーティは・・・・始まった。夜の夜中だというのに、これが始まりで終わりではなかったという。私もたっぷりと汗をかいたので、とりあえずは水分補給にビールを手にした。そこへクルマちゃんがやってきたので、
 「あのヴィッディの衣装すごかったわね。どこで見つけたの?」
 「クリスマス・プレゼントにヴィッディのおばさんが手作りしてくれたのよ。ラベルを貼り間違えて私宛てのプレゼントになっていたんで、見たトタン、こんなに胸が開いているのは丸見えになって着られないって言ったら、”あぁ、それはヴィッディ用よ”ですって」
 クルマちゃんはすごーくボインだもんねぇ。私に半分分けてくれても、まだまだいっぱい残る。
 ラッシの黒ブリーフにしても、家族からの理解と応援の濃さを感じずにいられない。影でそっと応援していますというのではない、もうここまで有名になってくると、はしたないという考えはなく(元々「はしたない」というのは日本人だけのコンセプトか?)、もっとこうすれば?と家族から過激な提案があるようだ。やっていることはお下劣スレスレであっても、幸か不幸か激しくなればなるほどメンバーの育ちの良さもそこに見え隠れする。そういう点、どれほどハメを外しているように見えても娯楽の域を逸脱することはないし、だから安心して心から楽しむことができるバンドなのだ。
 彼らのパフォーマンスが終わると、シガーロスのメンバーがシャンパングラスを片手に、トラバントの楽屋を訪れたという。インフルエンザで熱を出していたキャータンは、「トラバントは奇跡だ!僕の風邪を治してくれた!気分は最高!」と大喜びだったそうだ。しかし乾杯をして、シャンパンを一杯飲んだ直後に「う、やっぱり気分が悪くなってきた・・・」と蒼白になり、周囲の人間は笑うに笑えなかったとキャータンは数日後に会った際に教えてくれた。
 
 後日、どこの国でも同じだなと思う出来事をトラバントのメンバーから聞いた。それが何かといえば、トラバントはシリアスな音楽バンドではなく、おちゃらけバンドだからと評論家筋からはずっと無視されていたという。しかし泣く子も黙る女王様であるビョークが前列に繰り出して楽しんでいたことから、トラバントはこの日を境に「ビョークのお気に入りバンド」ということになり、評論家が彼らにおべっかを使いに来たという。
 「今まで全然無視して絶対に何も書かなかったくせに、昨日は両手をあげて”君たちは最高だ”なんて言ってくるから、キモワリィ」
 「今度、話を聞かせてくれって言われたけど、”そのうちに”と言ってその場を去った」等々。
 何にしても認められるのは悪いことじゃないと諭したけれど、評論家や記者の手のひらを返したような態度に彼らは興醒めしひどく腹を立てていた。

 そうそう、会場脇の長テーブルの上には、”誕生日”プレゼントが置いてあった。メンバーの顔をデフォルメしたアート作品、花束、シガーロス(栄光の薔薇)を示すようなドライフラワー、紅茶セット、誕生日カードなどなど。
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    (小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
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by icelandia | 2005-08-25 01:37 | アイスランド音楽名盤紹介 | Comments(4)
私の着うた:やっぱりアイスランド
 いつもICELANDiaブログをお読みいただき、有り難う御座います。
 愛知万博のバタバタが終わり、その後に残っていたあれこれの仕事も終わると、何となくほ〜〜っと一息つき、一息ならよかったのですが、暑さも手伝い、何となくダラダラとしてこちらも更新をしていませんでした。
 
 しかし、ダラダラしている間にも私の携帯に電話はかかり、実家でくつろいでいたりお友達といっしょにいると、「着信音だとは思わなかったわ。それってもしかして着うた?」と驚かれます。これが若者に人気のグループの歌だったりすると、まぁ分かりやすいのでしょうけれど、私の場合は通常の電話も、メールも、全部ジャズ関係なので驚かれます。
 「着うたってJ-popだけだと思ったら、大人向けのもあるのね」と。
 
 電子音でもないし、流行の音楽でもないし、かなり落ち着いた雰囲気の、自社音源ジャズで「あれぇ?どこからか音楽が流れてるなぁ」という感じのものなので、うっかりマナーモードにするのを忘れて電車の中で鳴りだしても、少しは気分が楽です。
 
 私の着うた:
  通常着信 Sometime I'm Happy /クリスチャーナ
  Eメール 愛するポーギー/シグルズール・フロサソン
  Cメール いつも変わらず/オスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソン
 
 というわけで、この残暑をアイスランド音楽のICELANDia着うたで乗り切りたい方は、以下にアクセスしてくださいね。機種によってアクセス方法が違うので、まずは以下でチェックしてください。

 モバイル・コロムビア http://columbia.jp/mobile/

 ICELANDiaの音源は今年の春頃アップされたので、アクセスしたら、少し下までスクロールして見てくださいね。(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
 
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by icelandia | 2005-08-17 20:00 | アイスランドってどんな国? | Comments(0)
女性大統領でも女帝でも
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 アイスランドの国名が世界中に響き渡ったのは、米ロの冷戦を終結するきかっけとなったレイキャヴィーク会談(レーガン/ゴルバチョフ会談)でした。少なくとも私の記憶の中ではそれが一番大きかった。
 
 その次にアイスランドの名前を世界中に最も地道に広めたのは、世界初の女性大統領ヴィグディス・フィンボガドッティル女史ではないでしょうか。8月2日で彼女が大統領に就任して25年になったそうです。初めて彼女が選出された頃は、「シングルマザーの大統領なんて・・・」とあまり指示されなかったようですが、ヴィグディス女史の人柄とその政治的手腕で間もなく人気は高まり、その後は満場一致で再選が決定し、任期としては最長の16年間大統領を務めました。アイスランドでは、人材さえいえればためらうことなく女性大統領を再度選出することでしょう。
 この前の旅番組で橋田壽賀子さんも会われていましたが、私もいつかは会いたい!<--単なるミーハー。
 
 話は飛びますが、日本では男子ではなく女子が天皇家を継ぐことができるか?という議論。先日、来日中のアイスランドの高官とお食事をしていて、こんな質問をされました。
 「日本の天皇家を女帝が継ぐことに関しての意見は?」と。
 「意見も何もなく、男女平等なのですから、男女どちらが家を継ごうと同じ。天皇家にどのような深い歴史と意味が詰まっているのか、私には計り知れませんが、世界的な時流の流れを考えると、それを議論すること自体がおかしいでしょう。子供が女性だけなら、女性が継いで当然。議論の余地などないでしょう」
 そう私が答えると、"いかにも"とその高官は納得されていました。歴代で一番の活躍をした女性大統領と同じ時代に外交に外交に関わっていた彼は、その活躍と彼女が世界に与えたインパクトを目の当たりにしてきた人です。女帝が日本に生まれれば、世界的にも注目され、現代日本のシンボリックな存在になるだろうと思われたことでしょう。物事はそれほど単純ではないにせよ、男の子じゃないとダメ!という考え方はそろそろやめたい・・・そのそも「家」って何なのでしょう。
 だから日本はまだまだ差別大国なんだよなぁと、ヴィグディス元大統領のことを考えながら思った一日でした。(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
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by icelandia | 2005-08-03 22:55 | アイスランドってどんな国? | Comments(5)
2005年直行便情報
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 最近アイスランド関係のテレビ番組や雑誌特集が目立つせいか、アイスランドについてを友人から尋ねられることが増えてきました(今までは私の話をフフンと鼻であしらっていたのに、何という態度の豹変!)。それで、観光の中身の前に質問されるのが、「アイスランドまでどうやって行くの?」です。あのぉ、徒歩だと2-3年かかるのでしょうか・・・、というのはさて置き、船のルートもありますが、まずは航空便ですよね。
 
 直行便があるか無いかという質問も多く、それはイエスでありノーです。
 例えばロサンゼルス行きのように、定期的な直行便はありません。しかし20003年より夏から秋にかけてチャーター直行便が出るようになりました。今年はオーロラのベストシーズンを選んでの秋便になります。
 出発地は東京は羽田を筆頭に津々浦々で、今年は沖縄発まで!あちこちで直行便の宣伝を見かけているかもしれませんが、いったい何日にどこから飛ぶのか?という全貌を知りたい場合は、アイスランド航空のスケジュールをチェックするのがいいでしょう。
 
http://www.icelandair.jp/travel/charter/charter01.html

 チャーター便は一見お高いように見えますが、ドア・トゥ・ドアで24時間の長旅を強いられるより、ずーーっと楽ですし、個人だと個別に雇わない限り日本語ガイドは通常ないので、この機会は利用価値大。食事もほとんどついているので、あれやこれやを考えると、意外にも値頃です。
 
 チャーター便がいかに楽かといえば、チャーターでないと乗り継ぎになるので、ヨーロッパのどこかの空港で4-5時間待たされます。これが鬼門で、アイスランド航空の便数が少ないため、カウンターに常時スタッフがいるとは限らず、アイスランド航空のカウンター自体も見当たらず、「いったいどーなってるのぉ?!」状態。荷物をアイスランドまでスルーで預けられず、いったん途中の空港で荷物を受け取ってしまうと、アイスランド航空に荷物を預けない限り空港外へ出ることもままならない。荷物を盗まれてもいけないから、そこらへんで眠りこけるわけにもいかない。
 ある時など、真夏のヒースロー空港で冷房がきかず、空港内は蒸し風呂状態。逃げる場所もなく、ただひたすら汗を流し、水を飲み、とにかく倒れないように気をしっかり持って、時間が過ぎるのを漫然と待つだけ・・・。あー、思い出すだけでゾッとする。
 そんなアクシデントもなく、スムーズにいっても、アイスランド航空に乗る頃には、かれこれ家を出て20時間が過ぎているため、日本/ヨーロッパ間で仮眠をとっていたとしても、疲労はピーク状態。アイスランドに到着して空気を吸うと、それだけでもう元気いっぱいになりますが。
 
 その点、直行便はエライ!東京だと羽田発着だし、乗り換えはないし、乗ったらそのままアイスランドへ直行!これが当たり前ではないことを身にしみて知る私は、一度だけ利用した直行便がどーんなに有り難かったか。
 
 ただ、私のようなリピーターともなると、ツアーの中身は無用で、航空便の往復だけ買いたい。きっとそう思うのは私だけではないことでしょう・・・・、でも少数派かな?!
 
 ンなわけで、直行便は季節限定のツアーであります。ツアー内容も充実しているので、ぜひこの秋はアイスランドを訪れてくださいね!(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
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by icelandia | 2005-08-02 20:56 | News | Comments(2)
ゆったり気分: 流行通信の特集
いつもICELANDiaブログをお読みいただき、有り難う御座います。

c0003620_1220371.jpg 先週のBRUTUSに続き、今度は流行通信のアイスランド特集です!なんだかアイスランドって、急にメジャーになったような。これからは「アイスランドなんですが・・・」と言った時、「はぁ?!」みたいなリアクションは減るんだろうか。
 
 なかなかイけてる企画で、BRUTUSとはまた違った切り口で面白い。女性向きのきれいな写真が多く、アイスランドのノンビリ感もよく出ていて、とても素敵な感じです。私が実際に行く時の旅気分にそっくりで、流行通信は昼間ヴァージョンで、夜ヴァージョンはBRUTUSかな。流行通信が提案するものと、BRUTUSが書いているものを合体して楽しむことは充分できるので、アイスランドへ行かれるみなさん、この2冊はぜひ買って参考になさってください。
   
  レイキャヴィークは狭い街なので、今回もまた個人的な感慨にひたりながら、読み進めました。ダーグルといえば、子供はどのくらい大きくなったかなぁ、シグリズール(流行通信ではなぜかシグリース)のおばあちゃんが相変わらず元気そうでよかったし、あのネコちゃんも健在なのね。「お土産で貰った金の招き猫」 というのは、私が持っていたお土産で、まだオウチの中に飾ってくれているなんて感激!彼女も実は、隠れ(?)ICELANDiaアーティストで、私が以前ブログに書いていますので、ぜひご覧ください。流行通信の記事、シグルズールの年齢がかなりサバ状態なんですけど・・・(笑)流行通信に紹介されているものとは違いますが、彼女ご自身の選択でアルバムを何枚かICELANDiaのショップで直販 しています。
 
  細かく見ていくと、情報が古かったり、微妙な誤記もありますが、まぁ仕方のない範囲かとも思います。とにかく、こういった雑誌がアイスランドを見てくれたことだけで、うれしい!

 それに、個人的には金沢はマシュー・バーニーの展示会をやっているうちに行きたいと思っていたので、私にとっては二度美味しい旅特集でした。(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
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by icelandia | 2005-08-01 12:20 | News | Comments(0)
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