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execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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2:未だによく意味がわからない脈略のないランチのあった日
 ずーっとシガーロスが耳に残って、シガーロスしか聴きたくない気分の ICELANDiaです。それが正しい道のような気がするので、少し飽きるまでシガーロスで通します。

  今日のブログは道中にフラッシュ・メモリを壊した関係でほとんど写真がありません。やっぱり写真があった方がいいなぁ。

10月11日(土)アリスの不思議なランチ他

10:30 フリーマーケット
 土曜日はレイキャヴィクの港の近くでフリーマーケットが開催されます。フリーマーケットというと屋外だと思われるかもしれませんが、寒い国なので室内です。
 ここで、個人的にコレクションしているアーティストの中古CDを漁り、アイスランド映画のDVDで安いのがないかと見たけれど、アイスランド映画が全滅で、それでもかろうじてムギちゃん(ムーギーソン)が音楽を担当した映画『A Little Trip to Heaven』があったので、それを購入。

12:00 Hotel Borg集合のランチ
 たぶんその前に、宿泊予定のホテルへ行き、自分が好きな部屋を貰えるよう、交渉しに行った気がするけど、あれは10日に美術館へ行く前だったか?!ま、いいや。
 ということで、以前は迎賓館に使われていたというホテル・ボルグに集合。

 要は何かと言えば、小説家であるアンドリ・スナイル・マグヌソンと、一度会ってゆっくり話をしたいということになっていました。アンドリの小説『Dreamland』が日本で出版されることになり、出版社の担当が日本から来るので、ちょうどいいからいっしょに食事でも、という成り行き。ここまではごく普通。

 それがなぜか不思議なアリス状態に・・・。

 ボルグのロビーに座っていると、そこに日本の女性がいらっしゃいました。件の出版社のご担当であろうとお声をおかけすると、その通りでした。あとは、アンドリを待つだけ。

 するとそこに、私のことを以前目の敵のようにしていた、かつて日本在住だったアイスランド人男性が現れました。ま、場所がボルグだから、彼が誰かと待ち合わせをしていたとしてもおかしくないと思い、常識的にご挨拶。その時よもや、この御仁が私のランチ・バディのひとりになろうとは思わず、アンドリが来て、その上にもうひとりが加わって、ボルグを出た時、その人もいっしょに来たので仰天。彼が私に嫌がらせをしたのは過去のことなので、とっくの昔に流しているし、何がきっかけで彼が私を目の敵にしたかは分からないけれど、どちらにしても敵対する理由はないので、心がけたのは、私が恨みに思っていないことを示すこと。それに、可愛そうな人でもあります。この御仁の一派は今や消えつつあり、実際に人が亡くなったりしているため、本当に気の毒。

 この不思議なランチを召集したアンドリの意図が読めないこともないんだけど、総勢6名で、それもボルグのレストランに従業員はいないし、次に行ったVid Tjornin(レストラン)も「土曜ランチ営業」と書いてあるのに締まっていて、我々はランチ難民に。どこで食べたいかよりも、どこが開いているか、になってきて、

 「土曜のランチに難民になるなんて、こりゃ本当に経済が危ないな」と誰かがブラックジョークを。そして街を彷徨っていると、鞄を持った男性の上半身が大きな箱のようなもので覆われているヘンテコな銅像に出逢います。
 「あぁ、まさにこの状態だな。これが今のアイスランドの経済状態だ。ビジネスマンは仕事をしているフリをして、鞄なんぞを持って歩いてはいるけど、実はブラックボックスに覆われているから、どこへ歩いているんだか、何をしていいやらわからない。あまりにも如実で怖いくらいだ」と。

 これで写真があれば分かりやすいのですが、以前に書いたように、この日の写真は全滅。同行していた仲間もいないため、写真無し。ごめんなさ〜い(涙)。

 結局行ったのは、デンマーク式オープン・フェイス・サンドイッチの店。

 集まったメンバーは、アンドリ、出版社の女性、前述の御仁、作詞や小説を書いているショーン(ビョークのファンは、再結成時の「ロフトギター」で出てきた人といえば分かりやすいのかな。確か「Oceania」も彼の作品ですよね)、グリトニール銀行で働いているという30代半ばくらいの男性、そして私。知らない人もいれば、顔は知っていたり、実は以前に会っていましたという人も。ショーンは愛知万博でハローだけしたことがあるのを私は覚えていました。何の脈略があるのか無いのかわからない人選で、単に何となくつながりが出来そうだから集めたし、ひとりづつ会っていると時間がかかるので、総まとめにした?!

 そしてその場での話題も、何か不思議。もちろん、経済破綻の話は当然出てきて、特にショーンとアンドリは文学者なので、すごく面白くて、なるほどという表現をするんだけど、メモっておかなかったから、忘れた(またまたゴメン)。

 全員で話せる共通の話題がほとんど無いことに気づいたアンドリは、この人選を召集した責任を感じたのか(それとも単純に、奇妙な集まりを楽しんでいたのか?)、彼が先日イギリスへ行った際の話を延々とする。XX伯爵という方に招待されてその城へ行ったところ、その伯爵は絶倫で40人以上の妻がいて(それとも子供の数?)、四十八手だかカーマスートラが描いてある部屋があったり、なんかスゴク変わっていて面白かったというようなことを話していた(記憶が定かではないけれど)。妻の数が多すぎるため、城に住んでいるのではなく、その村全体に妻が点在していたとか・・・(マジか?!)。

 面白いことは面白いけれど、どうも話が奇妙で、一体何の話をするためこのメンバーを召集したのか、また単に顔合わせだけで特に話すこともないのであれば、それならそれで、なぜ集めたかって説明してもいいかとも思った。ほら、「XXさんはYYをやっていて、君もYYには関わっているだろう。だから合わせたらいいんじゃないかと思った」というのがゼロ。きっと出版社の女性も少々キツネにつままれた感じだったかと思います。
 私はてっきり、ちょうど出版社の担当が日本から来ているので、顔合わせしておいて、日本に帰ったら協力してプロモーションしてね、とか、そいういことだと思っていたので、その話題も全く無くて逆に驚きでした。

 ま、いいや。

 そんな中で印象に残っているのは、国家経済破綻話の際の会話でした。

 「アイスランドは国民は賢くて我慢強い人々だと思う。それに、教育水準も高いし、福祉も整ってるし、第一きれいな水と空気があり、魚は国民だけではたべきれないほど捕れて、だから輸出するわけでしょう。電力だって国民が生活に消費するよりも有り余っているからアルミ工場に回してるくらいだし、日本みたいに重油を燃やしての火力発電でも、原子力でもないし、自動車だってやろうと思えば電気自動車でも水素電池でもいい訳だし、羊なんか人口の何十倍も数がいるし、羊だけで乳製品、肉は問題ないし、服もデザイナーものとか言わなければ何とかなるでしょう。外貨なんかそんなに無くても充分に生きて生きて行けるし、要はバブリーな生活じゃなくて、バック・トゥ・ベーシックってことじゃないの?」と言うと、私の前に座っていたショーンが

 「アイスランド人って賢いと本当に思うかい?」と。
 「思うわよ。だってこんなに少ない人口で、社会を一式整えて国家を築き、外国に大使館まで出してキチンと外交し、世界に大災害が起きた時は出来る限り支援をさしのべるなんて、なかなか真似できないわ。なにせヴァイキングなんだもの。タフで賢くなかったら、この厳しい気候でポテトしか育たないような土地に国家が栄えることは無かったと思う。数十年前まで植民地だったんだし」
 「そうか、タフで賢いか。そういう言葉をもっと聞かせてくれ。今の僕らに必用なのは、そういう言葉を聞いて、自分達を奮い立たせて、また雄々しく築き直していくことかもしれない」と、手で顔を押さえながら真顔で言っていたのが気になりました。

 表面的には平然と対応しているようでも、やっぱり心の中では弱気になってしまうのでしょう。うーん、彼らを励ますにはどうすればいいんだぁ〜〜。

 何ともよくわからないランチだったけれど、別れ際に支払のレジのところで前述の御仁が私に握手をしてきて、「good luck」とか何か言われたから、へ〜〜って思った。うれしかったですよ。私は悪感情は払拭しているから、それを分かってもらおうと、食事中は時々微笑んだりしてたから。

2:未だによく意味がわからない脈略のないランチのあった日_c0003620_21504682.jpg 
 はぁ〜、奇妙だったわぁ、とため息をつきながら外に出ると、ショーンが待っていて、「妻が音楽のアルバムを出しているから、ぜひいつか聴いてほしい」とのこと。話を聴くと、既に ICELANDiaショップで取り扱っていました。これです。なーるほど、だからビョークの曲が入っているのでしょうか。
  知っている人は知っているらしく、クラシック・アルバムにしては、ボツボツと売れる作品です。

15:00  Sequencesのオープニングへ
 ここ数年、音楽フェスのAirwavesと並行してアート・フェスも行われています。この日はそのオープニングがあったので、プログラムをもらいにセンターに顔を出してみた。パーティはほとんどお開き状態だったけど、目的のプログラムはゲット。
 でも今年は前年と比べると、予算がいかに厳しいかがわかるような気がします。去年も一昨年も、プログラムはしっかりとしたカラー印刷で、ポスターみたいに大きなのが折りたたんであったけれど、今年は新聞仕様のペラペラなもの。実行できただけでもヨシとしないといけないのかもしれません。
 アートフェスの実行委員をしているKiraKiraことクリスティン・ビョルクがいて、一瞬だけハロー。彼女は今年Airwavesには出ずに、日本公演というのが不思議な感じ。

 センターにいても面白くないので、ベンチにでも腰を降ろして電話でもしようかと思っていると、曲がり角から顔を見せたのがJFMと奥様と子供。今年はよく会うね、ヤコブ。

 人と会うのは住んでいる場所や行動範囲も関係しているとはいえ、 私のヘンテコ持論によれば、波長が同じような人とよく出くわすようにこの街はなっている、と思う。この仮説に従えば、私が一番今年波長が合ってたのはAsi、JFM、次にヨンシー、ムギソンということになります。Bad Tasteの親玉のAsiとは、これでもか!というくらいほとんど毎日会い、その度に立ち話をしたので、立ち話の合計が30分くらいになってるかも。ワン・ミーティング相当分? 
 波長が合ってるからといって、特に何も意味はないんだけど、ね。

16:30  Katrin Elvarsdottir写真展へ
 ドイツの栄誉あるボーズ写真賞にノミネートされたカトリン・エルヴァルスドッティルの展示会へ行きました。ノミネートの話はこちら。展示会の最終日で、ギャラリーが締まるギリギリ前くらいに行きました。それほど大きくはないけれど、とてもいい感じで写真がディスプレイされていて、陰と光の色合いが、とても暖かくこっくりしていたのが印象的。目線にも気を遣ってディスプレイの高さにも配慮していたのが印象的。私はどちらかというと、写真よりも絵画が好きだけれど(もっと好きなのは音楽!)、こういうディスプレイの仕方は、写真にとても合っているなぁ、と思いました。

17:00 買いもの!
 あまり街を散策する時間がありませんが(まぁいつも歩いているから、それを散策と呼ぶのであれば散策だけど)、合間を縫ってお買いもの。Afturというブランドがあり、ビョークも私服でよく着ているようです。
 リサイクル精神で、生地はすべて古着から使っているそう。高級というよりも、カジュアルでも可愛げのあるものが多く、身体の線を強調せず、どちらかというと、ドロンと着られるものが特徴かも。
 そんな中で、「生腕がむき出しになるのが気になる時、ドレスの下に着るように作った」という、収縮自在の生地で出来ているトップが素敵だったので購入。これ、実際に着てみると、すごーく形がキレイで、とってもいい感じ。
 薄手なので、春夏中心でしょうか。いろいろな色があって迷ったけど、定番の黒がなくて残念。なんでも生地がなくて黒は作らなかったのだとか。

18:00 ヨハン・ヨハンソン・インタビュー
 翌日(12日:日曜日)にアートフェスSequencesのイベントとして、港にある美術館(Hafnarfus)でコーラスを指揮するというヨハンに、少し無理を言ってリハーサルの後に会って貰いました。
 コーラスのリハーサルなら是非見せてほしかったけれど、パーカッショニストの自宅での打ち合わせだったそうなので、いくら図々しい私でもそこまでは踏み込めません。どのようなパフォーマンスだったのか伺い知ることができず残念。

 ニュー・アルバム『Fordlandia』のプロモーション用に使えればということで、正式にインタビューを取らせてもらい、写真もジョシア・シバノさんにお願いして、キチンと撮影していただきました。どのような形で発表できるか、まだ分かりませんが、どちらにしてもお楽しみに!

19:00 帰宅してブログ書き
 そしてアップしたのが、このブログ。なるほど、ブログを見るとこの日の朝、初めて銀行で私は両替をしたようです。その時のレートからまたまたガクンと下がっているので、本当にどこまでISKは下がるやら・・・・。
 
19:30 家でのまったり夕食
 今回、訪氷する前から「夏にはサーモンがたくさん捕れたし、ブルーベリーなんか50キロも積んだから、楽しみにしていて」と言われていた通り、夕食のメインはサーモン。
 家庭の食事はシンプルだけどおいしいなぁ。サーモン、ポテト、サラダ。充分です。そこに、サッパリとした味わいのアイスクリームと、特製のブルーベリーソース。カルダモンを少し加えて、ちょっぴりスパイシーなソースにしてあり、これが絶品!

 去年の写真ですが、同じサーモンなのでお許しを。
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 食事に加わってくれたのは、マヨレインというデンマークからの女性で、私が扱っているaurum(アウルム)というジュエリー・ショップのデザイナーに、見習いとして入ってきた女性で、彼女もアイスランド語が話せないし、ひとり暮らしなので私と会う良い機会だろう、と。

 マヨはとても明るく楽しい女性で、「アイスランドの暮らしってどう?」という他愛のない話をしていました。マヨといっしょにバルコニーから外を見ると、お、今日もうっすらとオーロラが出てる。ワイングラスを片手に10分間ほど見ていましたが、もう少し経ったらもっと見えてくるかもと思い、「20-30分後にまた見ようか」と言って室内に入ったら、そのまま話し込んでしまい、気づいて再度バルコニーに出た時にはもう空には雲しかなかった orz。 
 
22:30  A Little Trip to Heaven鑑賞会
 昼間フリーマーケットで買った『A Little Trip to Heaven』を見ようということになり、最初は見ていたけれど時差も疲れもあって、どーにも見ていられない。居眠りしながら無理して見ることもないので、この日は先に休ませてもらいました。

 翌日10月12日はウエスト・フョルズルの中心、イサフョルズルまで飛び、その夜にイサフョルズルから書いたのがこのブログでした。(小倉悠加 / Yuka Ogura)2:未だによく意味がわからない脈略のないランチのあった日_c0003620_13213440.gif



Stuff I have done on Oct. 11 in Reykjavik. I have blown up my flash memory and I have no photos. Darn! Yuka

 注目!Iceland Airwavesツアー、今年も楽しく大成功でした!
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  アイスランドの音楽がいっぱい!↓







  
アイスランド・ビジュアル・アート大賞受賞作家作品!
       aurumはピカ一のデザイナー・ブランドです!↓


by icelandia | 2008-10-28 22:18 | アイスランドってどんな国? | Trackback | Comments(2)
Commented by Toru at 2008-11-01 01:30 x
ショーンはOceania以外のビョークの作品にも参加していたような記憶があります。今CDを見てみたらjogaやbacheloretteも書いてますね。
jogaを書いたショーンが、そんな言葉を言っていたとは、胸が苦しくなります。
私も何かする事ができるわけではないのですが、彼らの心に一刻も早く平安が訪れる事を祈っています。
Commented by icelandia at 2008-11-01 01:36
最近ビョークはアイスランドのニュース番組に出演し、もっと地に足のついた産業を興そうというような発言をしたそうですね。アイスランドに少しでも外貨が行くよう、アイスランド製品を購入してあげてください。私たちがそれを楽しんだり便利に使い、彼らに外貨が入ればそれが我々にできる一番の応援になるかと思います。
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