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execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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アイスランドの音楽業界事情
いつもICELANDiaブログを読んでいただき、有り難う御座います。

 さてさて、このブログの開設当時からずーっと一度は書きたいと思っていたことがありました。それはアイスランドの音楽ギョーカイについてです。私はアイスランドに長々と住んだことはないし、ましてそのギョーカイをそれほどよく知る訳ではありませんが、全くの部外者である日本人にしては、それでもまぁまぁ大枠は把握していると思われます。
 
 日本の音楽ファンに「アイスランド出身のアーティストは?」と尋ねれば、まず最初の答えはビョークであり、少しコアなファンになるとシガーロスとかカラシ、もっとコアコアになるとムームといったアーティスト名が出てくるかと思います。で、そういったアーティストはもちろん本国アイスランドでも有名ですが、私の印象では・・・・彼らは国際的に有名なので、それに伴い国内でも有名になった、というような雰囲気があり、アイスランド国内で大スターだったから、国際的に飛び出したのね、という感じではないんです。
 
 それじゃアイスランド国内では誰が有名なのか?ズバリ、アイドルです。十代の可愛い女性や、二十代のかっこいい男性の集まりとか、まぁそいった人たちです。音楽的に良いとか悪いとかではなく、日本で爆発的に人気があっても、国際的には売り出されたことがない歌手と同じですね。そして、そのようなアイドルや国内向けのみのアーティストは、あるレコード会社に全員が所属しています。そのレコード会社がアイスランドの音楽需要の70%を占めて、残りの30%のところだけが、アイスランド国内よりも、国際的な視野で活動をするアーティストを支援しています。
 なので、ICELANDiaが扱うアーティストはその30%の部分であり、アイスランド国内で爆発的人気!という人は実は・・・・いやいや、これが居るんですねぇ。
 
 国内の大半の音楽流通を扱うこの会社は、”世界的な視野”などという考えはおよそ持たないようで、我々のような外人が所属アーティストについての問い合わせをしても、数カ月後に「海外担当部署はありません」というつれない返事が返ってくるだけで、ある意味商売気がなく、信念を貫いているといえばそうなのですが、そのような訳でICELANDiaでは扱っていません。
 
 そんな会社とは対照的なのが残りの30%で、こちらはもう極小レーベルとも言えなくて、アーティスト個人がやっている場合も多いのですが、アイスランド国内も見据えつつ、狙っているのは国際的なマーケットです。それに、70%のアイドルの音楽はどこの国でもかなり似たり寄ったりですが、30%の音楽は自分を国際的なアーティストとして確立したいと願っている人ばかりなので、音楽的にも個性があり、単なるアイドル・ミュージックよりもずっと魅力的です。その代表として国際的に高い評価を得たのがビョークであり、シガーロスでありましょう。もっとごく最近ではICELANDiaで扱うことになったバング・ギャングもそういったアーティストの仲間です。
 
 それで、まぁ打ち明け話に近くなりますが、ICELANDiaが扱うアーティストは、どこかひとつのレコード会社やレーベルに所属し、その会社との交渉のみで済むようなものではなく、15組のアーティストがいれば、少なくとも13カ所と契約を交わさなければならない感じで、ほとんどがアーティストとの直接契約になります。・・・というのがどのような意味かといえば、とーっても面倒!なんです。だって、ひとつのレコード会社と契約してしまえば、その会社に所属しているアーティストが自動的に入ってくるということではなく、全部自分で探し当てて、個別にいろいろなことをお話し納得していただき、それでやっと契約できるからです。
 
 やってみて初めて分かったのは、なぜ今までどのレコード会社もアイスランドの音楽を取り上げることがなかったのか、ということです。だって国内大手の音楽会社は外国の市場に興味がないし、残りの30%はバラバラなので、まとめるのに異常なほどの労力と時間がかかるので、効率を重んじるのであれば、手を出さないのが得策です。うーん、私はなーんと効率が悪く難しいことに手を出してしまったのだろうと思うこともありますが、でも、アイスランドという同じ島国の人々に何らかの貢献が出来るのであれば、それが一番の心の栄養です。
 
 そんなわけで、アイスランド国内を除いて、世界中のどこへ行ってもこれだけ多くのアイスランド・アーティストと契約しているレーベルはICELANDia以外にありません!ExciteのDownload Storeにはまだあまりアップされていませんが、既に20枚ほどリリースできるアルバムがあります。その半数が非常に質の高いアイスランドのジャズで、その他がポップス、エレクトロニカ等になります。
 
 隠し持っている訳ではありませんが、まだ表に出していないアルバムやアーティストには、結構驚くようなものがあり(最も驚くのは日本人ではなくアイスランド人だとは思いますが)、例えばビョークよりも前に出現して、25年以上もアイスランドのポップス・グループの頂点に君臨し続けるスツーズメンというグループもそのひとつです。スツーズメンも前述の70%の部類に入るのですが、海外に目を向けない所属レコード会社の方針に嫌気がさし、このグループは自分達のヒット曲を独自で再録音して、海外に売り出せるような環境を整えました。で、ちょうどこのグループのメンバーと知り合いだった私に、「日本で出してくれない?」。
 ICELANDiaのように駆け出しで実態がまだ無いようなレコード会社よりも、本来であれば大手の会社が扱うべきアーティストのステータスです。このグループのメンバーは、ソロとしても北欧では既に有名で、アイスランドでは全員が名士で、芸術の様々な分野で歴史に残る活躍をしているメンバーばかりです。で、そんなグループに、フュージョン・グループ、メゾフォルテのメンバーが入っているというのも面白いことです。また、AORファンならよく知るアルバム『ジャック・マグネット』のヤコブ"フリーマン"マグヌソンもいて、ヤコブの最新アルバムも今年の秋にはリリースできると思います(音源は既に私の手元にあります)。
 それから、スツーズメンの女性ヴォーカルはラッガという個性的な女性で、既に何度か来日しツトム・ヤマシタと共演していいます。その共演は愛知万博でも見られる予定です。
 
 で、愛知万博といえば・・・・と、私の頭の中ではこういった話が延々と続きますが、万博の内容はまた後日にでもしますね。万博でも来日するクリスチャーナの歌をとりあえずはどうぞ!こちらから試聴、ダウンロードできます。 (小倉悠加)
アイスランドの音楽業界事情_c0003620_22263649.jpgアイスランドの音楽業界事情_c0003620_13213440.gif
 
 
 
by icelandia | 2005-05-10 13:09 | アイスランドってどんな国? | Trackback | Comments(1)
Commented by Mizuki at 2005-06-13 16:51 x
このあいだ、Studmennの映画(最初のやつ)をついに見ましたよ。面白すぎます、Studmenn!どの曲もポップで覚えやすいのに、歌詞が奇妙で最高でした。英語に翻訳されるから、さらに奇妙になってるんだろうなぁ。品が悪いのに、どのメンバーも憎めない感じで、ラヴリー。ダンスも衣装もクレイジーで面白かったです。ほんとに強烈な個性ですね♪
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