北欧映画賞は二年連続アイスランド監督の手に!Nordic Council Award受賞式潜入記 |
日本を出て2週間。運動不足を背中起立筋で感じるマニアックな私なので(?)、何かしないとまずいと思い、今日こそはヨガへ行くぞ!と勇んでいたその時。外出20分前に入ってきた知らせ。 「今夜のNordic Council Awardのセレモニー、ゲスト枠で入れてあるけど来られる?」 私は「??」。ン、でも思い当たるフシがある。一ヶ月くらい前にアイヴォールから、「私は賞にノミネートされてるわけじゃないけど、来る?」とメールが入ってきたので、なんだかよくわからないまま「ぜひ!」と返事をした覚えが。 という訳で、急遽身支度して行ってきました。Nordic Countil Award(定訳がわからないんだけど、北欧評議会賞みたいな感じ)の授賞式。総合授賞式みたいなもので、北欧映画賞、北欧文学賞、北欧児童文学賞、もちろん北欧音楽賞も。 会場であるコンサート&コンベンション・ホールのハルパは、照明を各国の旗にしていました。これはもちろんアイスランドの国旗色。 考えてみれば、ナントカ賞なんて輝かしきものに参加したことがなかったので、何となくドキドキそわそわ。少しお洒落っぽく見える服装で出向き、まず受付で会ったのがヘルギ・ヨンソンと奥さまのティナ・ディコ。ティナはデンマーク一番とまで言われるシンガーソングライターなので、たぶん国際的にはティナの方が知られているけれど、ヘルギもすごくいいアーティストで私は大好きなので、アイスランド音楽コンピ『Pitch Black Morning』の中にも収録してある。 アイスランドは少し時間に遅れていくくらいの方がよくて、時間ぴったりだと誰も居なかったりするので、恐る恐る少しだけ時間に遅く行ってみると、実はアイスランド首相の音頭での乾杯は終わっていた。こんな感じですごく賑やか。 ほどなくして会場へ。「セッティングが本格的!そりゃそうだ。北欧諸国集まっての総合文化受賞式なんだから」と、やっとこの賞がどんなものなのかを把握し始める(私、気づくの遅いんです。トホホ。。。) そしてステージに出てきたのが男女の司会者。女性は映画『馬々と人間たち』の主演女優であるシャルロッテ(『馬々〜』の監督の奥さまでもある)。主催国の言語なのかと思ったら、違う!まして英語でもない!なんじゃその言葉は?!もう全くわかんねーよで苦笑。同じわかんねーよでも、アイスランド語が理解できないは慣れてるし、アイスランド語の響きも慣れてるので大丈夫なんだけど、その他の北欧語の響きはチンプンカンプン。 でもとりあえずはオープニングの音楽になったのでオッケー。アイヴォール・パルスドッティルが自分のバンドメンバーと登場。彼女、本当にものすごい迫力。フェロー諸島の歌姫だし、世界有数の歌手だと思う。 それが終わるとまた理解不能言語会話。周囲の人が拍手しても、笑っても、私はひきつるしかない・・・。ひたすらガマン。 そして様々な賞のノミネートが発表され、受賞者が発表された時、最初に理解できたのが、ダーグル・カウリという名前。発表の瞬間、思わず「うわ!」と声に出た。周囲も同じだったみたいで大拍手。 彼のスピーチは当然アイスランド語か、またはデンマーク語かと思ったら、英語!お〜、私、英語ネイティブじゃないけど、英語ならわかる。脳味噌が喜んでる(笑)。どうやら主演のふとっちょさんのためにこの物語を書き下ろし、かなり経済的にも苦労したみたいで、「これで投資分を少しでも取り返すことができればうれしい」というごく本音のスピーチ。もちろん協力者への感謝も忘れない。 次にまたなんかわかんない会話。理解できないのと、聴き慣れない言語の中にいるのはとても苦しい。そこに出てきたのが、アイスランド人のコメディアンらしき人。これがアイスランド語なら少しはくつろげるかと思ったらーーこちらも英語!北欧諸国のそれぞれの言語を茶化す内容で、非常に面白かった。私は北欧のどの言語がどうなのか全く分からないけれど、あの茶化し方を聞いていると、さもありなんという感じ。爆笑させてもらいました。有り難う。英語有り難くて仕方なかった。だって、理解できないと拷問なんだもん。 そして、私が「DJ不思議ちゃん」と呼んでいるDJ Flugvel og geimskipの演奏も。彼女、ぶっ飛んでるので、私よりももっとご年配だと思われる方も多い客層には辛かろうと思ったら案の定。彼女の演奏が始まると、あっけにとられてる雰囲気がありありと会場を包んで苦笑。政府要人が並ぶ堅苦しい受賞式に、かっとんだアーティストを起用したアイスランド人のセンスに脱帽。 音楽は彼女の他にも、アイスランド・ダンス・カンパニーとのコラボでGusGusが登場。相変わらずサウンドもコンセプトもお洒落。 そして文学賞やら何やらの発表があり、またまた英語がスピーチの人が現れた!で、この人が音楽賞受賞者のスウェーデン人であることは後からググってわかったこと。この男性は、子育てのために自分のキャリアを中断することが、いかに精神的に辛かったのかを切々と語り(まるで子育てのために求職中の日本のキャリア女性みたいな訴え方)、子育て中の若い父親に「創作活動から離れ、子育ては誰も賞賛してくれないし、この先創作活動に戻れるか不安になるかもしれないが、僕もそんな思いをしてこうして戻ってこられた。父親よ、がんばれ!」みたいな感じでした。最初は男性が何を言い出すのかときつねにつままれた。私の中で、男性がこういう視点でスピーチすることがあるという視点がなかったのでしょうね。かなり切実、切々な感じで、最後は感動した。 この後はまた全く理解できないままだけど、最後にコーラス隊と、再度アイヴォールが登場して、きっとフィナーレなのだなぁというのはわかった。 アフターパーティではワインなども振る舞われ、お料理も色とりどりで、さすがに魚貝とラムが非常においしかった。けど、あらかた食べてきたので、あまりがっつけずに残念。 『馬々と人間たち』で前年受賞し、映画賞を同じアイスランド人のダーグルに渡したベネディクト監督に会ったので、記念撮影。去年はインタビューもさせてもらいました。これ、撮ってくれたのが女性司会者でもあった奥さま。 それから、私をこの受賞式に入れてくれたアイヴォールとも会えた。7月にフェロー諸島で顔を合わせた時、なかなか時間があわずにゆっくり話が出来ず仕舞いだったので、レイキャヴィクで捕まえられてよかったし、実際に後日インタビューしました。 帰り際に撮った各国の写真。やっぱり北欧諸国って寄り添って、それなりに仲良くしてるんだなぁ、と。 会場を出る時にたまたまダーグルと出会したので、インタビューを申し込んだから快諾してくれたのですが、やはりこの受賞を受けてあちこちから呼ばれたようで、予定よりも大幅にレイキャヴィク滞在が短くなり、実現せずで残念。その代わり、主演男優を紹介してもらったので、そちらでインタビューができるといいなぁと思ってるところです。 どちらにしても、とってもいい体験でした!(小倉悠加/ Yuka Ogura) アイスランドからの音楽とグッズ満載ショップ!↓ |
by ICELANDia
| 2015-11-02 10:47
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