魅了されました!アイスランドの女優ピアニストによる叙情的なピアノ・トリオ作品 |
初対面の方からよく聞かれるのは「何がきっかけでアイスランドなのですか?」ということ。 「え〜、それはもう10年前にさかのぼりましてぇ〜」 ヒェぇ〜、もう10年なんですね。びっくり! きっかけは2002年の秋頃に「アイスランドの音楽のサイトを作らないか?」というお話をいただいたことで、2003年にはそのサイトを立ちあげ、夏にはイベントを行いました。 そのイベント時にアイスランドから招待したのが、トラバントという伝説のパーティ・バンドとスンナ・グンロイグスという女流ピアニスト。今やトラバントのヴォーカリストだったラグナル・キャルタンソンは世界のアート界にその名がとどろく芸術家ですが、当時は芸術大学に通う貧乏学生でした。 スンナは当時、ドラムス担当のご主人とニューヨークで新婚時代を送っていましたが、数年後に故郷のアイスランドへ帰り、どうやらこの年末年始はアルバムのプロモーションもかねてアメリカに戻っているようです。 ![]() 狭い世界の物事に長年関わっていると、人の移り変わりもよく見えてきて(自分自身もですが)、感慨深いものがあります。あ〜、お年寄りが思い出話をしたがる気持ちが理解できるわぁ。なにせ私自身がその年齢になってきたし(苦笑)。 何が書きたいかというと、スンナがピアノ・トリオで久々に出してくれたニュー・アルバムが素晴らしい!私がこの年末年始、毎日聴いていた個人的な超お気に入りアルバムが2枚あり、その一枚がスンナの『Long Pair Bond』です。お気に入り2枚は「年末年始、小倉悠加がどっぷりはまった2作の福袋」として出していて、1月末までご販売しています。 スンナのアルバム単体はこちら。 Sunna Gunlaugs 『Long Pair Bond』 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=39092625 期間限定メール便送料無料(2012年1月27-29日) ![]() それで、2003年以来スンナとはあまり接触がありませんでしたが、半年くらい前にFacebookを覗くと、彼女があるプロジェクトを行っていることを知りました。それはニュー・アルバムを自費でプレスするため、Kickstarterというサイトのシステムを使用してファンにカンパを呼びかけていたのです。 カンパといっても単なる寄付ではなく、そのプロジェクトが目標金額にリーチせず、実現されなければ何も支払うことはないし、実現すれば、出した金額の条件に見合った何かがもたらされるというもの。私の場合は、プレスが実現したアルバムを一枚いただきました。 これは、知り合いとしてスンナの活動をサポートしようというだけで、ICELANDia音楽ショップではあまりジャズは売れないため、ショップ用に仕入れることは全く念頭にありませんでした。が、 久々に届いたスンナ・グンロイグスのピアノ・トリオ作品『Long Pair Bond』は・・・「うわぁ、素晴らしい!」の一言だったのです。 ![]() 私が覚えているスンナの演奏よりも、格段に雰囲気があり、料理でいえば滋味のような味わい深さと暖かさが出ていて、ふんわりと包み込むような演奏になっていました。 そして、バックのベースやドラムスも、それぞれに個性あるラインを刻みながら、トリオとしての存在感を保ち、とにかく全員のバランス感がとてもいい。 以下、ショップにも書いたことをそのままコピーしますが、 「特に最初の「Long Pair Bond」は、ピアノの音が次にどこへいくの?というワクワク感のあるメロディだし、ピアノの音が五月雨のように降り注ぐ「Autumnalia」は、ベースとの掛け合いが素敵だし、やさしく美しくというより少々男性的な響きの「Crab Canon」は 即興をやりだしたら楽しそうな雰囲気で、いかにもジャズらしい遊び心がある。 「 Fyrir Brynhildi」はスンナお得意の叙情的なメロディが、まずはベースで奏でられ、次にピアノが美しくエキゾチックなラインを紡いでいく。「 Safe From the World」は子守歌のような安らぎのある曲で、聴いていると別世界にもっていかれそうな気がする。 アップデンポ気味の「 Diamonds on the Inside」はベン・ハーパー5作目のアルバム・タイトル曲で、これをスンナがピアノ・トリオ曲として楽しくきれいにまとめあげている。 「 Not What But How」は東洋思想に基づいた考えからのタイトルということ。スンナの素敵な旦那様でありドラムスのスコットの作品。最後の「Vicious World」は和音の使い方が魅力的で、オリジナルはルーファス・ウェインライト。私はこの手のシンガー・ソングライターに目がなく、ルーファスのヴァージョンも胸キュンですが、そのイメージを壊すことなく、ピアノの美しい響きを生かしたピアノ・トリオならではのヴァージョンにもため息です。 このアルバム、全般のトーンの流が素晴らしく美しく、それでいて個々の楽曲のバラエティ感もあり、聞き込むほどに新たな発見に満ちていて、本当に大好きです。聞き流しても邪魔にならず、聞き込んでも楽しいし・・・。」 このアルバムは当初、知り合いの付き合い程度に考えていましたが、あまりにも素敵なのでショップでも扱うことにしたのです。アイスランド人女性ならではの慈愛に満ちたピアノの響きやメロディを、みなさまも、ぜひお楽しみくださいね! ということで、今週末限定でメール便送料無料にしてあります。でも、福袋の方がお得感があるかも、です。中身の見える音楽福袋は今月末までの販売なので、まだ見ていない方はぜひ福袋一覧をご覧になってくださいね!(小倉悠加/ Yuka Ogura) ![]() 新年こそアイスランド音楽を!↓ ![]() ![]() 自然をアイスランドのデザイナー作品で↓ |
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by icelandia
| 2012-01-27 23:53
| Jazz
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