オーラブル・アルナルズが制作を担ったアイスランド珠玉のチェンバー・ポップArstidir |
来週前半、アイスランドへ行きます。なのでご注文はお早めにお願いできるとうれしいです(じゃないと発送が11月になってしまうかも、なので。もしかするとアイスランドから発送することもあるかもしれませんが・・・)。 アイスランド・エアウエイブスが10月末から始まり、「小倉悠加と行くアイスランド・エアウエイブス&オーロラ・ツアー」を今年も催行させていただくことになりました。満員御礼状態です。毎年大勢の方に御参加いただき、本当に有り難う御座います。 それで、ここ数日かなり一生懸命、この前仕入れてきたアルバムを(やっと)ショップに出しています。数にして15タイトル程度でしょうか。あとまだ数枚残ってますが(残っているのはジャズ・アルバム賞受賞作品等)。その一覧はここ。 どのアルバムもほとんど日本に無いので、私も初めてアルバムを通して聴くものが多く、相変わらず個性的な音楽が多いなぁとコンスタントに驚かされますが、そんな中で特に目立ったアルバムが結構ありました。 ひとつはNattfariというグループのアルバム。仕入れたアルバムの数を数え、「なんでこんなに仕入れた?」と不思議に思いながら音を聴くと、シガーロスじゃん! もちろんシガーロスじゃないんですが、確か「休止していたスーパーグループ」と言われて、多めに仕入れてきたことを思い出しました。 他にもムームのグンナルが制作に参加した『Nology』という作品が摩訶不思議で病みつきになり、同じくムームのヴォーカリストであるヒルドゥルのライブが最強だったりと、聞きもの満載です。 で、それを全てザクっとご紹介したいと思いましたが、十把一絡げでは勿体ない作品が多いため、まずはArstidirを取りあげさせてください。 *** ![]() このアルバムにはとても驚きました。普通のポピュラー音楽だと思っていたら、演奏が本格派クラシック・クオリティ。特に弦楽器が印象的な楽曲は、まるでスティーブ・ライヒのミニマルでも聴いているのかと錯覚しそうなほど。 その他の曲も、弦楽器のニュアンスがあまりにも繊細で、そのような音を耳にすると、これがポピュラー音楽であるということを忘れそうになります。いやはや、もの凄いクオリティ。マジに、クロノスのライヒ演奏を聴いてるのかと錯覚しましたから。そしてクレジットを見てみると、バックにはアイスランド交響楽団のバイオリン奏者の名前が連なり納得。 このアルバム全体にそのような芸術的な雰囲気が漂っており、バックの演奏は大まかに分けると、アコースティックギターの響きを中心とする楽曲、ピアノの音色を主に聞かせる楽曲、そしてストリングスの美しさをフィーチュアした楽曲の3タイプになるようです。 そして、そのどの曲にもヴォーカルと、美しく重ねたハーモニーが入り、そのメロディがいかにもアイスランドちっくな哀愁を帯びた泣かせる系のもので、やることがニクすぎる!大好きになってしまいました。 ちょっぴり歌謡曲みたいな感じがしないでもないとか、とどこかひねくれて思ったりもしますが、メロディのあまりの哀愁、ハーモニーのあまりの美しさ、そこに上等なピアノやストリングス、ギターが、ゴシャっと全部入るのではなく、若干の音のすき間を残して、抑えめの華麗さでブレンドされていきます。問答無用でやっぱり好き。 音のすき間というか余裕はあるけれど、演奏にスキがなく、よく計算して音を重ねているにも関わらず、とてもさり気なく流れる真に極上の音楽です。 アイスランド的なメロディのヴォーカルに、ハーモニーの重ね方も、どこかしらアイスランド伝統を感じさせる北欧感満載。ポピュラー音楽なのに、演奏のクオリティはクラシック。そうかといって、歌が入るのでポスト・クラシックというのでもなく、ジャンル分けに頭を捻っていたら、「chamber pop」という言葉が飛び込んできました。 これは室内楽でポップスをカバー演奏しましたという意味ではなく、室内楽クオリティの演奏に、ポップソングを重ねましたという意味です。 そしてプロデュースはオーラヴル・アルナルズ。私は完璧にノックアウトされました。アイスランド・エアウエイブスにも出演するので、これはぜひぜひ見てこなくちゃと思っています。 ちなみにこのグループは2008年の結成で、全員がクラシック、プログレ、ポップス等の別のグループに所属し、また6人ともヴォーカルを取れるという、素晴らしいミュージシャンシップを発揮できる集団です。 今年のアイスランド・エアウエイブスにはイズノというオーラヴル・アルナルズも大好き(私も一番好き!)な会場で演奏するということで、ライブがとても楽しみです。 とにかくアイスランド・ポップの懐の広さ、奥行きにまたしても驚かされました。クオリティ高すぎ・・・。 秋の夜長にもぴったりです。ぜひアルバム全体をじっくりとお楽しみください。こちらからご購入いただけます。(小倉悠加/ Yuka Ogura) ![]() 秋の夜長にはアイスランド音楽を!↓ ![]() |
▲
by icelandia
| 2012-10-04 03:53
| Pops
|
Trackback
|
Comments(0)
|