アイスランド音楽ファンやその雰囲気を知りたい人にもってこいの作品登場! |
ず〜っと書こう、書こうと思いつつ、やっていないのがお勧めアイスランド音楽のシリーズでした。なので、前回のブログから突然「小倉悠加のアイスランド音楽ならこれを聴け!」という、ちょっと物騒な(?)タイトルで書き始めました。 これからちょこちょこ、なるべく私自身が愛聴しているものを、新旧問わずご紹介できればと思っています。 最近は、新譜だからどうこうとあまり思わなくなっているし、いい音楽はずっと聞き続けても飽きないどころか、新たな面を発見したりするので、それでいいと思っています。 小倉悠加のアイスランド音楽ならこれを聴け! Sketches for Albinos 『days of being wild and kind』 http://icelandia.shop-pro.jp/?pid=22726861 ![]() シガーロスに次ぎ、もっともアイスランドを表現しているアルバム これ、結構書き殴った感じの感想分ですが、好き過ぎて、どうご紹介していいやら、というアルバムです。 ここ数年の間に出て来たアルバムの中で、一番アイスランドらしい、レイキャヴィクらしいサウンドと雰囲気を持ったアルバムです。届いて以来、毎日何度も聴いてしまいます。2010年8月到着。 さて、なぜ私がこれほどこのアルバムに執着するのか、少し考えてみました。平たく言ってしまうと、シガーロスに次いで、アイスランドを、そしてレイキャヴィクという街を的確に表現しているように思えるのです。 私にとって、シガーロスほどアイスランドの自然を音楽で的確に描いているアーティストは存在しないというほど、あのサウンドはアイスランドの国土そのものなのです。轟音、爆音のサウンドは嵐のアイスランドを思わせ、そこに美しいストリングスが重なって鳥のさえずりや明るい日差しまでも感じさせます。シガーロスというのは、そういう音楽だし、アイスランドへ行く度にそれをより一層認識します。ひたすら大好き。 Sketches for Albinosはその淡々としたヴァージョンであり、シガーロスより、少しレイキャヴィクの街に、自然から少しだけ遠ざかり、文明の香りがするアイスランドのように思えます。私自身の感覚でしかありませんが、先進国であり、首都であるレイキャヴィクで感じるものに、とても似ています。 それは、文化・文明の中心地でありながら、そのどこに身を置いても大自然の存在を感じずにいられない。全般的に霧がかったような音の層が必ずどこかにあり、日本の首都圏は電車や車の音、都会の雑踏のノイズばかりだけれど、アイスランドの首都で聞こえてくるのは、車の音よりも断然風の音の方が多い。 そこに人間の温かなぬくもりや、息づかいや、食事の臭いや、風の臭いがしてきて、いわゆる文明的な生活を送ってはいるけれど、どうしようもなく直接自然にも左右されます。 夏でもピリリと冷たい空気感。首都圏でもどこか木訥としていて牧歌的なところ。少しの間違いは笑い飛ばせる大らかさ。ちょっとルーズだからなんか全部ごちゃまぜになっているところもある。何となくまとまればいいし、面白いなら何でもいいさという刹那的なところ。自然の音とは単純で澄み渡るものではなく、必ず不協和音が入っている。ざらざら、ざわざわしたもの。 水が流れるといっても、滝もあれば川もあり、半分凍っている時もあれば、水の動きが見えないほど凍結していることも。暗い、寒いといっても、暗さにも等級があり、寒いといっても、アイスランドという国名よりもずっと暖かく、空気の冷たさが気持ちいいこと ーーー何だかよく分からないかもしれませんが、私が持つアイスランドとかレイキャヴィクの印象、イメージってそんな風なんです。 それをこのアルバムは非常によく体現しているのです。たぶんあと5年くらいこれ以上私のイメージに合うアルバムは出て来ないんじゃないかと思うほど、ものすごく心に響きます。 シガーロスの場合は、私が後から彼らの感覚に追いついていった感じで、このアルバムはSketches for Albinosが私のために描いてくれたような、そんな感覚さえします。もちろんそんなことはありませんが。 ちなみにSketches for AlbinosことMatthew Collings君はヴァルゲイル・シグルズソンのスタジオで録音をしていて、私はそのスタジオで何度かランチを共にしたことがありました。また会う機会があれば、ぜひこのアルバムについての話を聞きたいと思っています。 アーティストMySpace http://www.myspace.com/sketchesforalbinos 一部の曲がご試聴いただけます ◇収録曲目 01. sorbonne midnight 02. daniel likes birds 03. red sky on fire 04. romy schneider 05. more dixieland and polka 06. lotta 07. anna karina 08. kids with no energy 09. a meeting at the merry-go-round 10. we live for spring 11. skeye 12. she's with snoban now 13. jol 14. she's with snoban now (Moskitoo Remix) 15. sorbonne midnight (Chihei Hatakeyama Remix) 16. a meeting at the merry-go-round (Federico Durand Remix) *** 本日、「アイスランドで前首相の弾劾裁判が決定」というニュースが目に入りました。「29日、アイスランド議会は、国内の銀行が次々と破たんし、金融危機に陥ったことに対する責任について、ホルデ前首相を特別法廷で弾劾裁判に掛ける決議をしました」というもの。ソースはこちら→http://www.gaitamesk.com/blog/review/2010/09/20100929181542.html まず、Haardeというのはホルデじゃなくてハーデね、というのはいいとして、この結果に国民の意見は真っ二つだそう。弾劾裁判の候補として3名があげられていて、結局ハーデ元首相だけが裁判に。それは変じゃない?全員裁くべきという一派と、現首相を始め、現政府にも当時政府要人がいたのだから、その人々も含めるべきという一派。 また、崩壊の発端はもっと以前、ダヴィッズ・オッドソンが銀行を私企業化したことなので、それを含めないのは全くもって全然ダメという意見も。ただしこれについては、弾劾裁判にかけられるのが3-4年前までの政府要人とか、そういった法律があるそうで、適応外なのだそう。 うーん、師匠のダヴィッズ・オッドソンは免れ、弟子のハーデ君が運悪く当たったような印象を持つのは私だけでしょうか。 |
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by icelandia
| 2010-09-29 22:40
| Pops
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