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execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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回顧録:2003年アイスランド・エアウエイブス見聞記パート2
 前回に引き続き、2003年に初めてアイスランド・エアウエイブスを見た時の見聞記をお届けします。映画『スクリーミング・マスターピース』でのヨハンの教会ライブもこの時でした。訂正事項は前回と同様、文の最後に置いてあります。

2003年Icelandic Airwaves見聞記 :パート2

 「パート1」はこちら
 前回も書きましたが、正しくは「Iceland Airwaves」です。2003年には、フェスの名前さえ正しく把握してなかった私(汗)

2003年10月17日(金)
 音楽の趣向により会場分けしてあるとはいえ、見たい聞きたいという注目に値するアーティストをこれほど多く一挙に出すのはルール違反だろう。腹が立ってくるのと同時に、身を割いて何カ所かに配置できない事実に虚脱感さえ覚える。
 
 この日の会場メニューに加わったのは:
*ハトグリム教会 (ハトグリムスキルキャ) :言わずと知れたレイキャヴィーク中心街のシンボル。丘の上にそびえているあの教会だ。教会の品位を損なわないものであれば、音楽的、文化的催しに理解を示し、教会を貸し出してくれるのだそうだ。

 そして私のライブ・メニューは
17:00 Johann Johannson with the Ethos String Quartet and Matthias MD Hemstock (教会)
22:00 Brain Police (Gaukurinn)都合によりボツ
22:40 Biogen (Kapital) 都合によりボツ
23:00 Singapore Sling (Nasa)
01:00 Quarashi (Nasa)
02:00 Dadadrengir (Nasa)
 
 この日はココロから楽しみにしていたライブがあった。そう、ハトグリムス教会で行われるヨハン・ヨハンソンのソロ・コンサートだ。ヨハンとは個人的に会って話したり、アパラット・オルガン・カルテット(ヨハンはバンド・メンバー)のリハーサルを見せてもらったりと、何かと仲良くしていたし、ハトグリム教会で弦楽四重奏との共演という設定にも惹かれるものが大いにあった。
 はやる心もあり、日本人的な律儀さも手伝って、会場へ到着したのは開演の30分前。日本のライブであれば30分前には人が集まり始めるが、レイキャヴィークでは10分前にボチボチ人が来るかなぁという程度だった。まだ午後5時なので仕事帰りに寄るにしても少し早すぎて、ライブの時間設定としては中途半端なのだが、教会側の都合もあり、この時間しか設定できなかったそうだ。
 ヨハンのソロ・アルバム『Englaborn(エングラボーン)』は、同名の劇場劇用に書き下ろした音楽に、若干のアレンジを加えたものだ。聴きようによっては、アンビエントとも、現代音楽とも解釈ができ、音楽を始めた当初彼がパンクに関わっていたとは到底想像ができない響きがある。現在関わっているアパラットとも全く嗜好が異なる。しかしそのどちらもヨハンの持ち味であり、だからこそアイスランドの音楽アーティストとして重要な地位を築くであろうと私は践んでいる。
 
 最初に『Ebglaborn』を聴いた時は、ごく当たり前のサウンドトラックのように思えて聞き流す程度だったが、この教会コンサートでの色彩豊かで情感に溢れるライブに触れて、とたんに大ファンになってしまった。
 昨日のキラキラのライブもそうだったが、要はレイキャヴィークの音楽シーンが放つ雰囲気が私は大好きなのだ。それは東京やニューヨーク、ロサンゼルスやロンドンなどの大都市とは異なり、都会という毒を孕まず、芸術を気取ることも、野望に心を乱されることもなく、何かをクリエイトしたいという純粋な動機からの音に対する欲望であり空気なのだ。もの悲しいほどの静寂を何かで染めよう、大自然に浮かぶ孤独を音で埋めようとする努力の結晶のようにも響く。
 
 教会の持つ凛とした空気も手伝って、このコンサートは本当に素晴らしかった。一段高い祭壇の上ではなく、ステージは観客と同じフロアにセッティングされていた。ミュージシャンが何気なく現れ、拍手もないままごく自然に音楽が流れ始め、次に拍手を聴いたのは、演奏が全て終わってからのことだった。ひたすら美しく、物悲しく、夕焼空のピンク色が教会内に差し込み、どこまでも素敵な設定だった。
 
 自画自賛になるがここで私は少し粋な計らいをしておいた。コンサートの打ち上げと親睦を兼ねて、このライブのプロデューサーとヨハンと私の3人で、食事のセッティングをしておいたのだ。観客である私はライブ直後に時間が空くが、関係者は後かたづけ等があるため、時間に余裕を持たせて8時にライヤルブレッカに集合をかけておいた。ライヤルブレッカはツーリスト・インフォメーション・センターのすぐ横にあるアイスランド料理店で、クラシカルで心地よい雰囲気の中、野性味ある料理を出す。
 
「いやぁ、会場に着くまで、自分があんなに緊張していたなんて知らなかったよ」というヨハンを迎え、「あれほど早い時間帯にもかかわらず250人以上も集まったし、報道関係者も多かったから成功だ」というプロデューサー氏の言葉で、「おめでとう、お疲れさま」の乾杯となった。
 告白すればこの2人は現時点で私が一番好きなアイスランド人男性なのだ。
 「ヨハン、聞いたかい?”現時点”でだってさ。きっと次に悠加がアイスランドに来る時は、メンバーが入れ替わってるんだぜ」と軽口を叩かれながら食事は始まった。このメンバーに誰かが加わることはあっても、入れ替わるとは思えないのだが、
 「そうよ、なにせ日本人女性は珍しいから、いつどこでいい男から声がかかるかわからないもんねぇ。次回と言わず明日になったら二人とも総入れ替えかもよぉ」と切り返しておいた。
 夫と子供がいる身ではあるが、ゲイ友と疑似デートするとか、こうして気に入った男性を複数さそって食事をするとか、まぁその程度の楽しみは許してもらっていいだろう。
 
 そんな風に時に冗談交じりに、時に真剣に音楽談義などをやりながらの食事だったので、つい長居をしてして幾つかのバンドを見逃してしまった。それでもシンガポール・スリングを見ないわけにはいかない。ここのギタリストであるエイナールはCDショップの店員で、かなり頻繁に顔を合わせる。アメリカのレーベルと契約のある期待のバンドであり、彼の晴れ姿も見たいので、グラスに残った赤ワインを飲み干してナサへと足を向けることにした。
 
 街が小さいのはこういう時に便利だ。レストランから会場までは徒歩3-4分といったところ。特に報道パスを持つ我々は列に並ぶことなくスイスイと会場入りし、念願のシンガポール・スリングのステージに間に合わせた。
 
 食事の赤ワインでかなり出来上がっていたが、真性ロックンロールのこのバンドをビールなしで見るわけにいかない・・・という強引な理由でビールを手にしながらの鑑賞となった。パワフルなヴォーカルとさり気ないテクの光るギターが印象的で、いつも真面目そうで大人しいあのエイナールも今夜は見事なギターゴッドに変身していた。こういう時は小難しい事を考えて聴いても面白くない。陳腐な言い方になるが、私はビートとビールに身を任せてライブを純粋に楽しむことにした。
 
 髪を振り乱し汗だくでの熱演ライブが終わり、楽屋にでも行ってメンバーに会ってあいさつでもしようと思ったら、ナサではバックステージパスがないと楽屋に入れないそうで、報道パスを持っていても追い返されてしまった。何でもゆるゆるなアイスランドにしては、かなり厳重にバックステージが守られていた。
 
 この時点で連れとは転々バラバラになっていたので、酔いを醒まそうと少し外に出た。さすがに真夜中過ぎの外は寒い。それでもピリリとした空気は心地よく、深呼吸をして、次のギグまでの時間をどう過ごすかをボケっと考えた。しかし独りで突っ立っていると、酔っぱらいに絡まれたりするので、外にいるのは得策ではない。近場のゴウクリンとヴィダリンをそれぞれ少しつづ覗き、結局また超大混雑のナサに戻ってきた。
 
 カラシは世界的に人気のあるアイスランド有数のバンドである。日本でもサマーソニックを筆頭に何度か来日し、日本のアーティストとのコラボもあり、勿論現地でも人気が高い。新メンバーが加わってのライブなので、内外からの注目度も特に高く、会場はやっと身動き出来る程度の大混雑。外は長蛇の列で、入場制限がかけられている。
 ステージ上のカラシをよく見るとメンバーが代わっただけではなく、一人増えたようで(アイスランド語がわからないので、ゲストだったのかもしれない)、その分ラップに厚みが出た。相変わらずメタリックなギターがかっこいいし、軽快なブレイク・ビーツも爽快で、縦ノリの男の子系ライブだが、以前よりも演奏に深みが出た感じで、アーティストとしての成熟が感じられるパフォーマンスだった。
 
 それにしても目まぐるしい。4-5時間の間に同じステージを6バンドが共有しなくてはならない。いくらアイスランドは時間に甘いとはいえ、モタモタしているとすぐに時間が経ってしまうので、特にこのナサでは時間が厳しく区切られ、アーティスト1組のステージは30-45分と短いものだった。そんな短さも手伝って、間延びしたり飽き足りなくなる前にステージが終わってしまうので、ホント、おちおちノンビリと聴いていられない。
 だからエアウエイブスはショーケイスなのだ。フルライヴは期待できない・・・とはいえ、ヨハンのコンサートはフルだったか・・・。
 
 さて、次はダザドレンギルだ。およそ聞いたとのないバンド名であるとは思うが、シンドリの所属バンドと言えば分かる人も出てくるだろうか。そう、シンドリはアイスランドが産んだ歌姫ビョークの息子だ。私も他の報道陣の御多分に漏れず、シンドリが見たくて夜中の2時までナサに陣取った。
 ダザドレンギルは2003年にアイスランド最大のバンド合戦で優勝したバンドであり、ニューウエイブ・エレクトロ・ヒップホップ・バンドと自らを名乗り、軽めのエルクトロ・ビートにアイスランド語のヒップホップが踊る。個性的な音を出すバンドで、シンドリの存在の有無に関わらずこれからの活動に注目して損はない。
 そしてシンドリはやはりビョークに顔がよく似ていた。ベーシストであり、身体も小柄なので特に目立つ存在ではなかったが、音楽関係者の話によれば、「ビョークが母親であることを抜きにしてシンドリは才能があり期待できる」という。彼はまだ若干17歳の若者であり、今まで常にビョークの側にいて彼女の活動を垣間見ながら育ってきた。いわば生まれながらに音楽アーティストとしての英才教育を受けてきた。
その彼がこれからの時期を母国アイスランドで過ごすのは、とても有益なことのように思える。アイスランドではどんなに有名でも、彼らをちやほやする者はいない。アイスランド首相だろうがビョークだろうが、肩すかしを食うくらいごく普通の人として扱われる。そういう媚びのない環境の中で、地に足を着けてじっくりと音楽活動に取り組めば、自ずと個性が花開いてくることだろう。

2003年10月18日(土)
 アイスランドでの貧乏旅行者の鉄則に、「ホテルの朝食は腹一杯食べろ」というのがある。元来、朝食が苦手な私も、食費節約のため朝食は割合キチンと食べるようにしていた。しかし、高揚した神経を抱え夜中の3時にホテルへ帰れば、薬に頼っても眠りにつくのは早くて明け方。ある程度の睡眠を確保しないと今夜もがんばれないので、当然朝食は抜きとなる。
 
 どうやら私は、瓶の中に残る半分の砂糖を見て楽しむクチではなく、無くなってしまった砂糖を悔やむ派なのかもしれない。エアウエイヴスのスケジュール小冊子を見ながら、あれもこれも見ることができなかったなぁとひとしきり悔やんだ後、見聞きできたバンドを考えて、やはり選択は間違っていなかったと自分を宥める。何が悔しいかといえば、一晩に50-60組も出ているのに、その10分の一も見ることができないことだ。自分の趣味に合わない音楽もあることだろう。でもせっかくアイスランドまで来ているのだから、出来る限り見て聞いて帰りたい
と思うのは、ごく自然なことだ。
 ホント、このスケジュール何とかしてよ!と主催者に言いたい。
 5日間といっても初日と最終日は10組も入っていない。5日間と謳っているのだから、キッチリ等分しなさい!と一人で腹を立てる。それにそんな風に感じているのは私だけではないようなので、主催者側にはメールで不満を伝えておいた。そんな意見は無視されるとは思うが、来年の動きに期待をかけることにしよう。
 
 まず、この日に加わった新しい会場を
*Pravda(プラヴダ) :エアウエイヴスのメディアセンターであるヘレッソの横にある白い店。
*Blue Lagoon(ブルーラグーン) :あの有名なブルーラグーンも会場となり、午後1時から「二日酔いパーティ」と題され、トミーホワイト・バンドが出演した。
 
*Hafnarfus(ハフナルフゥス) :港近くにある美術館。英語ではハーバー・ミュージアムとも、レイキャヴィーク・アート・ミュージアムとも呼ばれる。常設展示物はエロ(Erro)であることからもわかるように、近年のアートを中心に扱う。音楽への理解も深く、夜の遅い時間にコンサートが行われることもしばしば。
 
 さて、本日のお品書きは・・・
 19:00 Mugison (Pravda)
 20:15 Ensimi (Gaukurinn)
 21:00 Call Him Mr. Kid (Nasa)
 21:30 Worm is Green (Nasa)
 22:15 Trabant (Nasa)
 23:00 Blake (Nasa)
 23:30 Minus (Gaukurinn)
 あとは適当に VidalinのThule Techno Nightへ
  01:00 Gus Gus (Nasa)
 
  かなり盛りだくさんではあるし、細切れになる部分もあるが、スケジュールを見る限り、可能なはずだった。会場により多少の遅れが出るので、全部は無理だとしても、半分くらいはこなすつもりでいた。
 
 Mugison(ムギソン)は2003年9月、Mum(ムーム)と共に東京公演を行った新進アーティストだ。ワンマンバンドと称して、前に置いたラップトップでバックトラックを演奏させ、自らはギターとヴォーカルをこなして、ひとりだけでステージを展開する。2002年に突然どこからともなく現れた大注目アーティストで、地元の人気はすこぶる高い。
 私は東京でのステージを見ていたが、果たしてどのくらい地元で盛り上がっているのかを見たかった。開演も午後7時と早めだったため、迷わずムギちゃん(個人的にそう呼んでいる)を選んだ。ムギちゃんには業界仲間の親派がいて、イコール私の仲良し派でもあるため、キッチン・モーターズのメンバーや12Tonar関係者がわんさか来ていた。
 
 しかし、これがまず最初の番狂わせだった。機材の調子がイマイチということで、開演が遅れに遅れ、開演は8時45分頃という情報が入ってきた。そうであれば待っている間に8時15分からのエンシミを見ることができないかとガウクリンへ向かった。ガウクリンはプラヴダから3-4分程度の場所にあるから、10分程度であればエンシミを見てきても差し支えない。そうしてプラヴダを出てみると、通り沿いに大音響でハードロックが聞こえてきた。それも4-5階建てビルの最上階から音が漏れてくるらしい。

 フェスティバルの小冊子を再チェックしても近所にそんな会場はないはずだし・・・・不思議に思いながら歩き始めると、あるビルの入口に小さな人集りができていた。そしてその横には、「Underground Airwaves」というチープで地味なポスターが貼ってある。本家本元のエアウエイヴスには参加しない(参加できない?)、マイナーなバンドが自主的に運営した公演らしい。興味をそそられたので階段を上がると、汗くささが鼻につく会場で、雄叫びとビートが激しく交差する過激なロックが繰り広げられていた。客の入りはそこそこで、前列は盛り上がっていたが、後方では手持ちぶさたにコーヒーを飲みながら単に時間つぶしをしている者が目立った。
 汗臭いのも苦手だし、過激なロックを楽しめる年齢でもないので、「エンシミ、エンシミ」と唱えながらガウクリンへ向かった。しかし、開演時間が迫っているというのにエンシミはまだリハーサル中で、下手に待っているとムギちゃんが始まってしまうため、プラヴダへと引き返すハメに。
 
 プラヴダへ引き返して分かったことだが、どうやら私が離れてから間もなく開演したようで、私が見たのは3曲目からであると隣の人が教えてくれた。さすがに地元の観客は暖かい。その雰囲気にムギちゃんも安心したのか、東京公演よりもずっと進行はスムーズだし、伸びやかに演奏している。そして「知ってたらみんなもいっしょに歌ってほしい」という「Poke a Pal」は、みごと全員(私以外?)が合唱していて、ムギソン人気を改めて印象づけた。それから最初はアイスランド語でしゃべっていたムギソンは、外人も混じっていることに気付いたのか、途中で英語とアイスランド語の両方で話してくれたので、私もその屈託のない会話を楽しむことができた。
 
「ムギソン!ムギソン!」というアンコールに応えては、「さっきリハーサルで一度試した曲をやるけ、ひどい出来なんだ。だから期待しないでくれよ(会場内爆笑)」ということで、「スタンド・バイ・ミー」を披露した。もちろんコーラスの部分は大合唱だ。
 機材の不調で演奏できなかった曲もあったそうだが、そんなことは関係なく、観客とアーティストで作り上げた濃厚で親密感のある心暖まるパフォーマンスだった。ライブ後、機材を片づけているムギちゃんに、「東京公演よりずっとよかったよ」と声をかけると、「おぉ、また来てくれたんだ。ありがとう」とはにかんだように微笑んだ。
 
 そして再び遅れていたエンシミのライヴを思い出し、私はガウクリンへ繰り出したが、どうやら見逃してしまったようだった。エンシミの
アルバムが気に入っていたので、これを逃したのは少々がっかりだったが、ムギソンが期待以上によかったので由とした。
 
 次なるバンドを目指してナサへと歩き始めると、ムギソンのライヴでいっしょだった関係者に出くわした。それもみんな揃ってライブ会場が存在しない方向へと歩いて行く。
 「今から、関係者の家のパーティへ行くんだ。悠加も行くかい?」とヨハンが誘ってくれた。
 「何の関係のパーティ?」
 「僕もわかんない。キラキラの知り合いだそうだ」
 Call Him Mr Kidはパスしてもいいものの、Worm Is Greenは見たいよなぁと思いつつ、関係者のパーティとやらを覗ける機会は滅多にないとので、ここは腹を括って関係者一同に付いていくことにした。(次回に続く)

訂正まとめ:
正:『Englaborn(エングラボルン)』 誤:『Englaborn(エングラボーン)』

***

 アイスランドから荷物が届いたので、次回は新譜のご紹介になります。(小倉悠加/ Yuka Ogura)c0003620_13213440.gif




  シガーロスの幻のアルバムも再入荷!↓









ビョークのライブ決定!エアウエイブス・ツアー!↓
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by icelandia | 2011-08-04 23:53 | アイスランドってどんな国? | Comments(0)
回顧録: 2003年アイスランド・エアウエイブス見聞記パート1
 不気味な地震が続いています。みなさん、ぜひ日頃からの備えを!(私自身にもそう言い聞かせています)

 7月にマックを買い換え、ファイルの掃除をしていた時に出てきたのが、2003年に私が初めてアイスランド・エアウエイブスを見た時の見聞記。フェスの醍醐味、面白さは今でも不動ですが、やはり最初の体験は強烈で、その驚きが文章によく出ていて分かりやすい。私自身とても懐かしく楽しく読むことができたので、ここにICELANDiaブログ読者のみなさまにもお裾分けしたいと思います。
 
 いつも文章が長くて恐縮ですが、この見聞記は7千字ほどあるので、3-4分割して出しますね。で、お断りしておきたいことは、この見聞記は後半の方が面白く、前半は、場所確認やら雰囲気確認で精いっぱいだったような感じ。なので、時間がない方は、後半のみをどうぞ。

 それから、今年のアイスランド・エアウエイブス・ツアーはまだ若干残席があります。ビョークを見るチャンスもあるので、一度は行ってみたい!という音楽ファンにはかなり狙い目です。詳細はこちら。 音楽は興味ないけど、アイスランドの自然や文化を楽しみたいという方には、こちらがお勧めです。よくあるツアーよりも内容を吟味・凝縮しました。

2003年Icelandic Airwaves見聞記

まえがき:
 上記タイトルを見て「えっ?」と疑問に思った方、大正解です!正確には「Iceland Airwaves(アイスランド・エアウエイブス)」であり、「Icelandic Airwaves(アイスランディック・エアウエイブス)」ではありません。

 そうなんです、私も見聞記を読み直して苦笑しまくりましたが、こんな感じの小さな間違いがあちこちに!固有名詞の読み方なんてメチャクチャですが、これもアイスランドへ行き始めた2003年の私自身を映す鏡だと思うので、そのままにしておきます。(この見聞記の時は3度目の訪氷なんですけどね・・・)
 注釈は入れず、間違いは最後にざっくりとまとめて正します。文中に「間違い#1」等も書かないので、基本的には読み流してくださいね。

 ちなみに、2003年に出演したバンド数は150組弱だったはず。現在は250組以上です。

 ということで2003年のフェス感想文をどうぞ!
 
2003年10月15日(水)
 アイスランド音楽を調べるようになって以来、Airwavesという音楽祭がずっと気になっていた。どうしても見たい!絶対に見るぞ!と心に誓っていたので、この時期の訪氷が実現し、本当に本当に心からうれしかった。

 オープニングはキャピタル(kapital)というクラブで、ここで今夜、私がアイスランドブルーというアイスランド音楽と文化を紹介するイベントに関わった際に日本に招聘したDJアルニ・クリスチャンソンが、ザ・ズッカキス・モンディアーノ・プロジェクト(TZMP)というユニット名で友人と共に出演する。アルニからは昼間電話で「最高のステージにするから、ぜったいに見にきて」と言われていたし、言われなくとも見に行く予定だった。キャピタルには出演予定の1時間前午後10時に到着した。

 昼間、場所を確認しておいたので、問題なくそのクラブは見つかったが、何やら私の前にガタイのデカイ二人組が同じ方向へ歩いていく。
「あの人達も同じ会場へ行くみたい。あんなに背が高いアイスランド人ばかりでごった返していたらどうしよう。華奢な日本人の私はつぶされるかも・・・」と心の中で少し心配していると、その二人組のひとりが振り向いて、「悠加じゃないか。ウエルカム・バック!」と叫んだ。

 あれぇ、ドッディにラッシだ。彼ら二人はアイスランドブルーで招聘した目玉バンドでもあり、アイスランドではかなりの人気を誇るトラバントのメンバーだ。
 「絶対に会うと思ってたんだ。アルニが出演するだろう。僕らも見にきたのさ」と。
 ガタイの大きな外人につぶされるどころか、彼らなら私がつぶされないように守ってくれるだろう。心強い限りだ。パスを見せて中へ入ると、会場はまだガランとしていた。

 DJブース前の席でアルニが見つかったので「ステージらしきものもないけど、どこでパフォームするの?」と聞くと、「DJブースの横で、勝手に歌えって感じみたいだ。これには僕も驚いたよ。」
 ここはごく普通のクラブで、客席から一段高いところにステージがあるわけではない。驚いたことに、出演者を照らすスポット照明さえなく、正直なところセッティングとしてはお粗末である。しかし出演者はそんなことにめげず次々とパフォーマンスをこなしていく。

 「今日は知り合いの全員に声をかけてきたから周囲は友だちばかりだ。昨日から気合いを入れてリハーサルもしてきたし、絶対に楽しいパフォーマンスにするから」と再度念を押された。
 私が会場入りした後からどんどんと入場者が増え、アルニの出番の頃には身動きが取れないほどの人出となった。そこには数人の地元音楽業界関係者や元シュガーキューブスのメンバーの顔も見えた。
 TZMPはテンガロンハットをかぶった二人組が織りなすジョーク・ユニットで、アルニの相棒はアイスランド屈指のジャズ評論家を父親に持つステイン・リネット。友人に声をかけまくったというだけあり、彼らの出番になると客席総立ちで、すごい喝采となる。30分程度の短いパフォーマンスの中には、ラップ、ヒップホップからバラッドまでの多彩な音楽を盛り込み、熱のこもったそのステージは楽しくさわやかなものだった。

 この後はキャピタルに居残るか、Sirkus(スィラカス=サーカスの意味)でDJを聴くかの選択があったが、翌日からハードスケジュールになるため、この日は軽いジョブということで、アルニのパフォーマンスでお開きにすることにした。
 「業界関係者も、欧米の観光客も、明日から飛んでくる人が主だから、オープニング・ナイトの水曜はこんなもんなんだよ」とアルニ。
 「人気バンドが演奏する日に重なると、僕らのライブなんか見に来てもらえなくなるから、僕らにとってはこの日がベストなんだ」。なるほど。

#会場#  
*Kapital(キャピタル):港のバス停から徒歩1-2分。ダンス・フロアのあるクラブで、特に何の変哲もない若者の溜まり場という感じ。
 
*Sirkus(スィラカス) :夕方から開店する飲み屋。ブルーの空をバックにパームツリーが青々と一面に描かれている外観を見ると「何じゃこりゃ?」という感じがしないでもないが、中に入るとキッチュでそれなりに楽しい。というか”悪趣味”がこの店の魅力なのだ。
アイスランドのクラブはどこもそうだが、ドリンク類はカウンターへ自分で買い出しに行くこと。ここは裏庭が広く平日はフリマが開かれていることが多い。ミュージシャン御用達店で私はここでシガーロスのヨンシーに会った。トラバントやシンガポール・スリングの面々もよく行くそうだ。
 
2003年10月16日(木)
 この日に欧米の関係者がドドっと飛来するとはいえ、いきなり会場を9か所に増やすことはないでしょ!と言いたい。うれしい悲鳴ではあるが、見たいアーティストが重なるので、ホント、選択に困る。
#会場#  
*11 :ロイガヴェーグル通りから一歩だけ外れたところにあるカフェ/バーで、2階建て。こんな狭いところでどうやってライブをするのぉ?と不思議。ハードロック系が得意で、この日もそういったバンドが出演していた。
*Grand Rokk(グランドロック) :レイキャヴィーク市内の名門ライブ・ハウス。1階がバーで、2階がライブ会場。1階にはチェスボードがあり、どちらかというと中高年男性向けの雰囲気。ビョークがパンク娘だった80年代からのライブハウスなので、ビョーク・ファンは立ち寄りたいところ。11から歩いて2-3分のところにある。この日のラインアップは、エレクトロ系やポップなものが中心だった。
*Gaukurinn(ガウクリン) :港に近いここは市内でも大きめのライブハウスで、通常はかなり名の通ったバンドが出演する。2階にはプールテーブルやゲーム機があり、ライブの合間に一休みするのにもってこいだ。私はよくここでカラシのメンバーを見かけた。この日はヒップホップ、ラップ系の出し物。
*Idno(イズノ) :チョルトニン湖の湖畔に立つクリーム色っぽいきれいな建物がこの会場。普段はカフェ付き劇場として使用されている。劇場であることを生かして、この日はヴィデオ上映と共にノイズ・アーティストのパフォーマンスがあり、良い意味でレイキャヴィークのアンダーグラウンド的な雰囲気を漂わせていた。
*Nasa(ナサ) :国会議事堂と同じ公園に面した巨大ディスコ/クラブで、売りは最新音響機器を設置した最先端ベニューということだ。しかし六本木の最新店と比較してはいけない。あくまでもアイスランド国内が基準での話。実質的にここがメイン会場で、人気の高いアーティストのライブがここ。
*Vidlin(ヴィダリン) :若者がスケボーを楽しむ広場の一角にある。民家を改造して使用していることがすぐにわかる外観と内部構造で、
通常はカフェ/レストラン。この日はアンビエント、ポップ系のアーティストが揃っていた。
*pjod..........(ヨズレイクスフキャタリン??):国立劇場の地下にある、薄暗いディスコ。真ん中にミラーボールの光るダンスフロアがあり、その周囲をテーブルが取り囲む。モロに70-80年代ディスコで、かかる音楽もその時代のものが多い。この日はエレクトロ・ポップ系の出し物だった。
 この日は見たいライブがグランド・ロック、ナサ、ヴィダリン、ヨズレイクの4か所に散らばっているし、時間帯が重なるものがあり、心は千々に乱れる。それにライブは往々にして開演時間がずれるため、開演予定は未定で決定ではないことも頭に入れておかなければならない。そうなると、絶対に見逃したくない!ものを優先することになる。
 
 ということで決定したのが以下のスケジュールだ。
 21:00 Kira Kira
 22:30 Eivor Palsdottir (Nasa)
 23:15 Leaves (Nasa)
 00:00 Eberg (Vidlin)
 
 60組以上のアーティストがライブを行っているのに、たった4組はないだろうとは思いつつ、見たいものが同じ時間に重なるため、泣く泣くの選択なのだ。キラキラとエイヴォールの合間にゴウクリンやキャピタルなどにも顔を出して、何をやっているのかも伺ったが、やはり私の音楽的な趣味としては上記に落ち着いて正解であったことだろう。
 
 キラキラというのは文字通り日本語のキラキラという意味だ。日本に3カ月居たことのあるクリスティン・ビョーク(本来の発音はビヨルク)は、キッチン・モーターズという音楽とビジュアルの芸術集団の一員であり、これが私にとって初めてのノイズ体験となった。ノイズというと地味なステージが多いそうだが、電飾のついたテンガロンハットに雪のように白いドレスをまとったクリスティンのパフォーマンスはビジュアル的にも楽しめるものがあり、バックにはバークリー音楽院出身のヒルマー・イエンソンというエクスペリメンタル・ジャズの名ギタリストがつき(ヒルマーもキッチン・モーターズの一員)、その演奏も非常にクオリティが高く大満足。当初は顔見知りなのでクリスティンのパフォーマンスを見に行くという感じであったが、コンセプトも音楽もたいへんに興味深く、次にエヴォールが控えていなければもう少しこの会場に留まっていたかったほど気にいった。
 
 エイヴォール・パルスドッティルはフェロー諸島出身の天才女性歌手で、ソロ・アルバムを録音したのが16歳の時。現在は二十歳でレイキャヴィーク市内に住み、ヨーロッパ各地で音楽活動を続ける期待のアーティストだ。レイキャヴィークにしてはだだっ広いナサという会場は、必ずしもエイヴォールに合っていないが、会場も出演日も主催者側が決定するので仕方ないのだそうだ。しかしノリノリのロック系が大半を占めるナサの出し物の中で、エイヴォールのような”聴かせる”歌手をこの会場にもってくること自体が、いかに彼女が注目されているか
のバロメーターでもある。
 「彼女と普通に話しているとまだ幼いけれど、ライブでは幾度となく感動させられたし、歌っている時の彼女はピュア・ソウルに変貌する」と、12Tonarのオーナーでもあり彼女の2枚目のソロ・アルバムをプロデュースしたラゥルス・ヨハネソンは言っていた。
 年齢不詳の成熟した歌声と、音域の広さ、卓越した歌唱力で、この女性が音楽アーティストとして一生を送ることは間違いないと見た。国際的な評価につながるかはこれからの成長次第だろう。
 
 リーヴスは2002年に国内デビューし、イギリスでも彼らのアルバムはリリースされている。レディオヘッド、コールドプレイなどと比較されることが多く、アメリカでも注目されつつあるレイキャヴィーク出身のバンドだ。彼らのライブ演奏がBBCのサイトに何曲かあり、それがかなり気に入っていたので是非生で聴きたかったのだ。期待が大きかっただけに、こちらは可もなし不可もなしという手堅い線で落ち着いた。

 実はナサでタバコの煙にやられて目が痛くなり、どうしてもコンタクト・レンズを外さなくてはならない状況に追い込まれて、次なるイーベルグは見逃してしまったのだが、彼はアイスランド出身ロンドン在住アーティスト。このギグを見た友人によれば、イーベルグ自身よりもバックでチェロとヴォーカルを担当していたバードというイギリス人女性の方がよかった・・・というよりも真ん中にいる男性が中心人物であるとは気付かないくらい、バードの活躍の方が目立ったそうだ。ちなみに、バードはソロ・アーティストとしてEPを出している。(次回に続く)

訂正まとめ:
正:カピタル 誤:キャピタル
 アイスランド語は基本ローマ字読みなので Kapitalはカピタル。このクラブは消滅。
正:ラッキ 誤:ラッシ 
 今や芸術家として成功しているラグナル・キャルタンソンのこと。
正:シルクス(スィルクス) 誤:スィラカス
 伝説的極北のトロピカル・バー。ビョークが出入りしていたことでも有名。 
正: Gaukurinn(ゴイクリン)  誤: Gaukurinn(ガウクリン)
 現在のSodomaの下の部分。以前は一階と二階がつながっていたけれど、現在はふたつの異なる場所として運営。
正: Vidlin(ヴィズリン)  誤: Vidlin(ヴィダリン)
 今は閉店してしまってない。バーでした。
正:未だ名前が覚えられない 誤: pjod..........(ヨズレイクスフキャタリン??)
 2010年はショーン・レノンの誕生日会をやった場所だった。
正:ヒルマル・イエンソン 誤:ヒルマー・イエンソン
正:アイヴォール・パルスドッティル 誤:エイヴォール・パルスドッティル
 当時はエイヴォールと呼ばれていたけれど、数年後にフェローの発音に戻してアイヴォールとなった。
 この時の彼女のライブは映画『スクリーミング・マスターピース』で垣間見ることができます。その数年後に来日。
正:エベルグ 誤:イーベルグ
 日本では「エバーグ」と表記されているようです。

  それにしても、2003年ってなつかし〜!見聞記は次回の方がグッと興味深くなると思いますのでお楽しみに♪ (小倉悠加/ Yuka Ogura)c0003620_13213440.gif




  シガーロスの幻のアルバムも再入荷!↓









ビョークのライブ決定!エアウエイブス・ツアー!↓
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by icelandia | 2011-08-03 01:00 | アイスランドってどんな国? | Comments(0)
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