本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加 (おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
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アイスランド最高のごちそうは?
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誰でもおいしいものは大好きですよね。アイスランドへ行く楽しみのひとつは、人間として最高かつ最大の”ごちそう”にありつけるからです。みなさんも絶対にお好きだと思います。何だと思いますか?
それは水と空気です!!
おいしい水と空気がタダだったのは過去のこと。本当においしい自然の空気は、都会を離れて山奥まで行っても日本ではありつけないし、都会の水道水は安全でも、残念ながらおいしいと唸らせてくれる味ではありません。それでも日本の水は世界の大都会にしてはおいしい方だとは思いますが。
アイスランドは海の孤島である上、人口も少なく、世界屈指のエコ大国であることから、本当にきれいな環境が保たれています。アイスランドの空港に到着するやいなや、気分がスカっして軽くなるのは、澄んだ空気のせいでしょうか。毎日都会の空気を吸っていると、鈍感になりがちですが、首都圏の住宅街でそれほど交通量の多くない場所でも、日本の空気はドロンとしているように思えます。何だかわからないけれど、ごく微妙なものだけれど、空気に色や味まで付いているような、そんな薄気味悪い感じがします。そうかといって、空気を吸わないわけにはいかいし・・・。
その点アイスランドの空気は、首都のレイキャヴィクのど真ん中でもおいしい!北海道あたりのおいしい空気がそのまま都心にある感じです。
それからアイスランドの水道水も最高!なんといっても天然水。それも氷河の水まで入った一級品。手が凍るほどキリリと冷えた自然水が、蛇口からジャバジャバでてくるのです。私が航空機から降り立って最初にすることは、空港のトイレに駆け込み水を一口飲むこと。で、日本から持っていったペットボトルには、アイスランドの水道水を入れてお持ち帰り。マジ、です。
水道水があまりにもおいしいので、味の付いた飲料系のものは全く飲む気もしませんが、噂によれば、だからこそアイスランドのコーラはおいしのだとか。うーん、コーラは現地の水で割っていることを忘れてました。次回行った時、忘れずに飲んでくることにしましょう。
あまり大きな声では言えませんが、アイスランドの水道水とフランスの有名なボトルされた水を飲み比べると・・・。前者は軟水で後者は硬水なので一概に比べることはできないとはいえ、味の差は歴然としています。え?もちろん軍配は氷国の水道水(あくまでも私感です)。
でもでも、 上には上がいるものです。レイキャヴィークの空気が最高においしいと思っていた私は、ある日友人にセルフォスという郊外に連れて行かれて愕然としました。車を降りたトタン・・・空気が軽い!これ以上透明で軽い空気はない、というほど私が今までに体験したどの国のどのような場所の空気よりも透明で軽く、本当に無味無臭。水のようにボトルに入れて持って帰れないのがすごーく残念で、過呼吸になるほどそこの空気をスーハーしてきました。
で、このセルフォスはレイキャヴィークから数十分の郊外で、都会からすごーく離れた場所でもなく、この調子で都会から離れて氷河地帯へでも行ったら、どれほど空気がおいしいことか・・・。極上の空気を思い浮かべて、心躍る私はちょっと変でしょうか?
もっと詳しい水の話はまたの機会にするとして、アイスランドに行けば誰でも味わうことのできる最大のごちそうは、水と空気。そしてこのふたつがおいしければ、当然、何を食べてもおいしいのです。
そして、そのように澄んだ環境では、ガチャガチャシャカシャカした音楽は場違いで聴く気も起きません。やっぱり人間が人間として大らかに存在していけるような音楽でなくちゃぁ、です。そんな透明感あふれる雰囲気にぴったりなのは『静寂の余韻』。こちらでご試聴ください。(小倉悠加) 
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アイスランドの国民食:カスピ海ヨーグルトの次はスキールだ!
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今日は日本では食べたくても食べられない罪なおいしいもののご紹介です。
私はおいしいものが好きで、おいしくないものは好きではないーーーって、バカみたいな文章ですが、自然と調和して共存しているとは思えない都会に住んでいると、この単純なことがとても難しくなります。
だって、見た目は良くてもスーパーで購入するきゅうりやレタスの味がないこと。刺身を買っても、「サシミってこんなもんだったっけ?」という程度。舌が肥えているとかおごっているとか、そういうことではなく、野菜に味がないし、見渡せば輸入品ばかりで地元の食品はどこ?という異常事態。日本ではししゃもも北海道からではなくアイスランドからやってきます。私はこのアイスランド産のししゃもにめっぽう弱く、必ず「長旅ご苦労様」と声をかけて毎回ひとパック購入。心なしかアイスランドのししゃもは格別においしい。ししゃもは鱈のエサなので、アイスランド人は食べません、ってどーでもいい前置きでしたね。
そんなアイスランドで特に人気なのがスキールという乳製品。「Skyr」と書きます。パッケージも見た目もヨーグルトですが、ヨーグルトともチト違う。酸っぱさはなくモチモチっとした食感で、濃厚なのにノーファットの低カロリー。日本で入手できる食品に例えるとすれば、酸っぱさを抜いたカスピ海ヨーグルトを濃縮して、モチモチ感を10倍にした感じとでも言いましょうか。
その味は、とてもマイルドなクリームとリコッタのようなチーズの中間あたりなので、ヨーグルトと同様にいろいろなフレーバーが出回っています。数えたことはないけれど、たぶん10種類くらいあることでしょう。砂糖が入っていないプレーンから始まり、お決まりのバニラ、イチゴがあり、それからブルーベリーやラズベリー、洋梨・・・アプリコットかマンゴのようなものも見た覚えがあります。私のお気に入りはピーチで、アイスランドへ行くとすぐに24時間スーパーへ直行し、このスキールを手に入れると「あぁ、アイスランドだぁ!」と思うのです。価格は小さなサイズで300-400円程度。フレーバーによって価格が異なります。小さなサイズといっても日本のヨーグルトの2-3倍はあり、食べ応えも充分なので、特に高いという印象ではありません。
カスピ海ヨーグルトがこれだけ流行しているのですから、低カロリー低脂肪のこのスキールもどこかが日本で作り始めてくれないかと期待しています。新製品を探している食品会社のみなさん、いかがでしょう? (小倉悠加)
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音楽サプリで脳内リラックス:『静寂の余韻』
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先日”『静寂の余韻』は心に効く音楽サプリ”というタイトルでブログをアップしたところ、読者の方からなぜ音楽がサプリになり得るのか、ということを解説したメールを個人的にいただきましたので、今回はそのお裾分けです。

あまり詳しいことになると私も理解しきれないので、すごーく簡単に言えば、要はその演奏を左右どちらの脳で感知する(聞く)か、ということになるそうです。
日本人は言語を左脳で理解し、母音、子音、感情音、虫の音、波、風、小川のせせらぎ等の自然音も左脳で聞き、その上計算処理などをするのも左脳だそうです。左脳はいつも大忙しです。
それに比べて右脳で聞くのは西洋楽器や雑音など。雑音は、無視しなくても認識していないことも多々ありますね。で、楽器なら何でも右脳かと言えばそうではなく、なぜか邦楽の和楽器は左脳で聞いているのとか。
日本人は左脳を日常的に酷使しています。その脳を休めるために一番いいのは西洋楽器の演奏音楽ということなので、それを考えるとクラシックやジャズが最も脳内リラックスに即した音楽サプリということになります。よくリラクゼーションに、鳥の声や雨の音など、自然音を取り入れたものがありますが、それを聞くことにより大自然を思い浮かべるために気分がよくなるのであり、必ずしも脳を休ませていることにはならないそうです。最初は自然の風景を思い浮かべてリラックスした気持ちにはなっても、自然の音を聞いていくうちに、だんだんそれをうるさく感じるようになるのは、左脳にとって負担になるからなのでしょう。
それを考えてもオスカール・グジョンソン&スクリ・スヴェリルソンのアルバム『静寂の余韻(After Silence)』はまさに脳内リラクゼーション。西洋楽器の演奏ものであり、またゆったりとしたテンポは呼吸を整えてくれます。そしてこちらはシンセなどの人工楽器を用いていないため、自然の倍音がたっぷりと入っています。倍音が何であるかをすごーく荒っぽい例を使ってご説明すれば、精製塩と天然塩の違いでしょうか。ピュアな精製塩は塩っ辛くてトゲトゲした味ですが、天然塩は味に幅がありまろやかです。人間の耳では聞こえない倍音が身体にどのような影響を与えるのかは、まだあまり分からないそうですが、奥深くまろやかというところでは、人工ではない楽器音の方がやはり聞いた時のリラックス度が上のような気がします。
そしてこれは個人的なことですが、脳内リラックスに加えて私はこのアルバムを聴くとアイスランドの自然や親切な人々のことを思い出し、穏やかな気持ちになってきます。親しみやすいメロディ、落ち着いたアルト・サックスの音色、ゆったりと流れるゆらぎのリズム・・・・そして何よりも、音楽として高品質であり、どことなく憂いを帯びたその演奏は、日本人の感性によく共鳴します。
ストレスが溜まって頭を休めたい時、気持ちを慰めたい時に、『静寂の余韻』はとてもいいサプリになってくれること請け合いです。Excite Music Storeでダウンロードできますので、どうぞ一度お試しください!
(小倉悠加) 
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クリスチャーナ:ヨーロッパ女性ジャズ・ヴォーカルの最高峰
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いつもICELANDiaブログにお寄りいただき有り難う御座います。みなさんからご好評の岩浪洋三氏によるアイスランド・ジャズの解説ですが、今回はアイスランドの歌姫、クリスチャーナについてを語っていただきます。「はっきりいってヨーロッパの女性ジャズ・シンガー中、一、二を争う実力者だとおもう」との高い評価をいただきました。みなさん、どうぞご試聴ください!(小倉悠加)
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クリスチャーナを聴く
ヨーロッパはすぐれた女性歌手が沢山いて日本でも親しまれているが、ぼくも好きでよく聴く。イギリスのクレオ・レーン、オランダのリタ・ライス、故アン・バートン、スエーデンのモニカ・ゼタールンド、ノルウェーのカーリン・クログなど名前がすぐに浮かぶが、クリスチャーナのアルバムを聴いて驚いた。アイスランドにもこんなにすばらしい女性ジャズ・シンガーがいたのだ。アルバム『クリスチャーナ/ Kristjana Stefansdottir』を聴くと、彼女の実力がよくわかる。アイスランドの歌手には珍しく、全編アメリカのスタンダード・ナンバーを歌っているので、親しみやすいし、ほかの歌手と比較して聴くこともできるので、彼女のすぐれた才能がすぐにわかるのだ。スキャットも交えての堂々たる歌いっぷりはベテラン歌手並みだが、そんな年でもない。1968年のアイスランド生まれというから今年37歳である。2000年にハーグのザ・ロイヤル・コンセルヴァトリュームのジャズ・シンギングの学位を優秀な成績で獲得している。
彼女の歌はアメリカのジャズ・スタンダードをよく理解しており、フィーリングも曲の解釈もみごとであり、かなり国際的な場を踏んでいるものと思われる。彼女はアイスランドのトップ・ジャズメンと共演してきたほか、フランク・フォスター、マリア・シュナイダーといったアメリカのトップ・ミュージシャンを指揮者に迎えたこともあるレイキャヴィク・ビッグ・バンドでレギュラー的に歌ってきたのだった。
また、1996年にはピアニストのアグナール・マグヌッソンと共演し、オランダのナショナル・ラジオ・ステーションでも歌い、アイスランドでレギュラー的に歌ったほか、オランダ、フィンランド、英国、ドイツでも歌ってきたという。やはり数多くの国際舞台を踏んでいるのである。またレイキャヴィク・ジャズ祭でも歌い、録音され、放送された。また、アイスランド大統領の前でも歌ったし、2000年12月には政府の恒例ガラ・コンサートという栄誉ある場での出演も果たしている。
彼女はまた賞もいくつかノミネートされている。彼女のファースト・アルバムアルバム『クリスチャーナ』はアイスランド音楽祭で2001年のベスト・ジャズ・アルバムにノミネートされている。また2002年9月にピアノ作曲のスンナ・グンロイグスと共演して吹き込んだ『美しき世界/スンナ・グンロイグス&クリスチャーナ』も、同じ賞のベスト・ジャズ・アルバムにノミネートされている。
現在彼女はピアニストのアグナール・マグヌッソン、ドリュー・グレス(b)とニュー・アルバムを録音中だが、さらに2005年の春にはいよいよニューヨークでの録音も予定しており、更に世界に向けて羽ばたこうとしているようだ。
それではアルバム『クリスチャーナ』をじっくり聴いてみよう。
まず共演のミュージシャンを紹介するとAgnar Mar Magnusson(アイスランド、p)、Uli Glassmann(ドイツ、b)、Thorsten
Grau(ドイツ,ds)、Michael Erian(オーストリアts)、Birkin Freyr Matthfasson(アイスランドtp, th)となっており、ヨーロッパ・オールスターズのようなすばらしいミュージシャンぞろいで、ピアニストはセンスもいいし、音楽性も高い。また表現力が豊かで力強く、しかも情感にあふれている。彼女も含め、1968年から74年に生まれた人たちばかりだ。
クリスチャーナは11曲歌っているが、選曲も好ましい。
「ザッツ・オール」はよく知られたスタンダードで、彼女はスキャットも交えて、ジャズ歌手としての実力を発揮している。「ウォット・ア・ディフェレンス・ア・デイ・メイド」は「縁は異なもの」のタイトルでも知られ、ダイナ・ワシントンの大ヒット曲だが、ここではデナー・ソロを加えて、じっくり歌っているのがいい。
「バイ・バイ・ブラックバード」には驚嘆した。速いテンポでベースとドラムスの演奏だけで歌うのだが、スキャットも交えて、技術的にも素晴らしいが、その粋なアレンジとアイデアのすばらしさにはすっかりまいってしまった。脱帽の一曲だ。
「アイム・スルー・ウィズ・ラブ」はゆったりしたバラードで、深い表現力に裏打ちされていて、すてきな歌いっぷりに引き込まれてしまう。
「サムタイムス・アイム・ハピー」は多くの歌手が歌っているヴィンセント・ユーマンス作曲の名歌曲だが、テナー・サックスのカデンツア風のイントロからヴァースを含めて歌い、他の歌手との区別化を計ったあざやかな歌唱で、テンポを上げてからは、スキャットも伴い、ジャズ歌手としての実力を見せつける。テナー・ソロも迫力十分だ。
「スイート・ロレイン」はナット・キング・コールの名唱が有名だが、クリスチャーナはピアノの洒落た伴奏で、ソフィスティケーテッドな歌い方で、キャバレー歌手的な都会の味わいをよく出している。気品がなんとも魅力的だ。
「デイ・イン・デイ・アウト」はルービー・ブルーム作曲で、歌手としても名高いジョニー・マーサーが作詞した佳曲。クリスチャーナのテクニカルな歌唱がさえ渡っている。アップ・テンポで、スキャットをはさみ、ジャジーな歌に圧倒されるが、テナー・サックス・ソロも歌に負けていない。疾風のごとき歌いっぷりはみごとの一言につきる。
一転して「ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー」はソフィスティケーテッドな優雅な歌い方に変わる。この変化自在なところが、彼女の個性であり、魅力だろう。
「ネバー・ウィル・マリー」はあまり知られていない歌だが、フランク・レッサーの作詞作曲。スキャットをはさんでの元気な歌がいい。
「ビー・ウィッチト」はリチャード・ロジャースの代表作で、クリスチャーナもロマンティックに歌うが、ソプラノ・サックスの北欧的何ソロが心にしみる。アルバム中特に好きな一曲に挙げたい。
ラストの「リトル・ホワイト・ライズ」はウォルター・ドナルドソン作詞作曲の佳曲。クッションのいいアンサンブルにのって、自然なスイング感で歌っており、一杯飲みながら聴きたくなるジャジーなムードは最高だ。
ともあれ、くり返し聴くほどに味の出てくるアルバムだ。ぼくはもう5回ほど聴いたが、5回目がいちばんいいと思った。すかっとした気分のいい歌いっぷりだ。はっきりいってヨーロッパの女性ジャズ・シンガー中、一、二を争う実力者だとおもう。ヴォーカル・ファンの必聴をすすめたい。
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